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2012 年度 実績報告書

形式的算術の証明可能性について

研究課題

研究課題/領域番号 12J00654
研究機関神戸大学

研究代表者

倉橋 太志  神戸大学, 大学院・システム情報学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード数理論理学 / 不完全性定理 / 形式的算術 / 可証性述語 / 証明可能性論理 / Yabloの逆理
研究概要

本研究の目的は,形式的算術の中において形式的体系の証明可能性を表現する論理式である可証性述語の性質について調べ,それを通じて不完全性定理および形式的な演繹体系の理解を深めることである.
1.述語証明可能性論理について
述語証明可能性論理の研究を通じて可証性述語の性質を理解する試みを行った.述語証明可能性論理が可証性述語の取り方に依存するというArtemovによる結果が,ペアノ算術の部分理論IΣ_iにも適用できることを示した.更に自然数i,j(ただし0<i<j)に対して,IΣ_iのある可証性述語が存在して,IΣ_jのどんな可証性述語についてもそれらの述語証明可能性論理には一切の包含関係が成立しないことを示した.
2.不完全性定理について
Yabloの逆理をロッサーの可証性述語を用いて形式化することで得られる命題の独立性について研究を行った.この形式化はΣ_1-「健全な理論に対して独立命題を与えるが,一方Σ_1-健全でない無矛盾な理論に対する独立性は証明述語の取り方に依存することをGuaspari-Solovayによる手法を用いて示した.この状況はうそつきの逆理に基づく不完全性定理の証明のものと異なるため,本成果は独立命題の構造および逆理の分析に新たな視点を与えると考えられる.
3.S. Artemov教授(NY市立大),E. Nogina教授(NY市立大)を招聘して研究集会を開き,本研究に関係する議論を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

述語証明可能性論理および不完全性定理についてそれぞれ新たな結果が得られ,合計2本の論文を投稿することができたため.一方,算術的完全性定理の拡張に関する研究は具体的なアイディアは得られたが成果を出すには至らなかったので計画以上とはいいがたい.

今後の研究の推進方策

本年度招聘したArtemov教授から,述語証明可能性論理に関して,証明可能性の様相演算子をもつ形式的算術を研究すると良いとのアドバイスをいただいた.彼の提唱した証明の論理の枠組みを織り交ぜながら,アドバイスを参考に新たなアプローチを模索していきたい.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Arithmetical interpretations and Kripke frames of predicate modal logic of provability2013

    • 著者名/発表者名
      Taishi Kurahashi
    • 雑誌名

      The Review of Symbolic Logic

      巻: Vol.6, No.1 ページ: 129-146

    • DOI

      10.1017/S1755020312000275

    • 査読あり
  • [学会発表] Syntax and semantics of predicate modal logic of provability2013

    • 著者名/発表者名
      倉橋 太志
    • 学会等名
      Seminar in Logic and Philosophy of Mathematics
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2013-03-26
  • [学会発表] Yablo's paradox and Rosser's theorem2013

    • 著者名/発表者名
      倉橋 太志
    • 学会等名
      Sendai Logic School
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      2013-02-25

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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