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2013 年度 実績報告書

形式的算術の証明可能性について

研究課題

研究課題/領域番号 12J00654
研究機関神戸大学

研究代表者

倉橋 太志  神戸大学, 大学院システム情報学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード数理論理学 / 不完全性定理 / 形式的算術 / 可証性述語 / ロッサーの可証性述語 / 算術の超準モデル
研究概要

本研究の目的は、形式的体系の証明可能性を表現する論理式である可証性述語の形式的算術における振る舞いについて調べ, そのことを通じて不完全性定理や形式的算術の超準モデルなどの理解を深めることである.
1. ロッサーの可証性述語について
ロッサー可証性述語に基づくヘンキン文および反映原理に関する研究を行った, まず, 独立なヘンキン文をもつかどうかが可証性述語の取り方に依存することを示し, Halbach and Visser (2013)による問題を解決した. また, Shavrukov (1991)による問題を解決することで, 反映原理が通常のものと同値でないようなロッサー可証性述語の存在を示し, Goryachev (1989)による結果と合わせて, それらの同値性がロッサー可証性述語の取り方に依存することを明らかにした. これらの結果により, ロッサー可証性述語の性質の理解だけでなく, 形式的証明そのものの構造の理解が深まることが期待される.
2. 算術の超準モデルにおける証明可能性ついて
本研究はこれまでほとんど行われていなかった, 算術の超準モデルにおける証明可能性について分析するものである. 本年度は(a)Con2のモデルでも証明可能的極大でもないようなペアノ算術の超準モデルの存在, (b)ペアノ算術の超準モデルである任意の始切片において証明可能なものが実際より増えているような超準モデルの存在, (c)ペアノ算術の各無矛盾な完全拡大を何らかの超準モデルにおいて定義するようなロッサー可証性述語の存在, を示した. 本結果により, 超準モデルにおける証明可能性や証明の構造に関する基本的な性質が明らかとなった.

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Rosser 可証性述語について2014

    • 著者名/発表者名
      倉橋太志
    • 雑誌名

      科学基礎論研究

      巻: (掲載確定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rosser-type undecidable sentences based on Yablo's paradox2014

    • 著者名/発表者名
      Taishi Kurahashi
    • 雑誌名

      Journal of Philosophical Logic

      巻: (掲載確定)

    • DOI

      10.1007/s10992-013-9309-z

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On predicate provability logics and binumerations of fragments of Peano arithmetic2013

    • 著者名/発表者名
      Taishi Kurahashi
    • 雑誌名

      Archive for Mathematical Logic

      巻: Vol.52,No.7 ページ: 871-880

    • DOI

      10.1007/s00153-0l3-0349-4

    • 査読あり
  • [学会発表] IRosser可証性述語によるHenkin文について2014

    • 著者名/発表者名
      倉橋 太志
    • 学会等名
      日本数学会2014年度年会
    • 発表場所
      学習院大学
    • 年月日
      2014-03-15
  • [学会発表] Rosser-type Henkin sentences and local reflection principles2014

    • 著者名/発表者名
      倉橋 太志
    • 学会等名
      Computability Theory and Foundations of Mathe matics 2014
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2014-02-19
  • [学会発表] 不完全性定理以降のRosser可証性述語2014

    • 著者名/発表者名
      倉橋 太志
    • 学会等名
      山陰基礎論・解析学セミナー2014
    • 発表場所
      米子工業高等専門学校
    • 年月日
      2014-02-01
  • [学会発表] Yabloの逆理のRosser可証性述語による形式化2013

    • 著者名/発表者名
      倉橋 太志
    • 学会等名
      日本数学会 2013 年秋季総合分科会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2013-09-27
  • [学会発表] 嘘つき型の矛盾による不完全性定理の証明について2013

    • 著者名/発表者名
      菊池 誠・倉橋 太志
    • 学会等名
      日本数学会 2013 年秋季総合分科会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      2013-09-27
  • [学会発表] Yablo's paradox and witness comparison2013

    • 著者名/発表者名
      倉橋 太志
    • 学会等名
      証明論研究集会 2013
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      2013-08-09
  • [学会発表] Rosser-type formalizations of Yablo's paradox2013

    • 著者名/発表者名
      倉橋 太志
    • 学会等名
      Logic Colloquium 2013
    • 発表場所
      エヴォラ大学(ポルトガル)
    • 年月日
      2013-07-22

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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