研究課題/領域番号 |
12J00682
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 修平 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 球面アクチュエータ / 三次元有限要素法 / 電磁界解析 / 多自由度センシング |
研究概要 |
産業用ロボットアームをはじめとする従来の多自由度駆動機構は、多くのモータを組み合わせることにより実現されており、それによりシステムの大型化やエネルギー効率の低下を招いていた。一台でモータ三台分の三自由度駆動が可能な球面アクチュエータを用いることで、これらの問題を改善することが可能であり、その実現が期待されているが高トルク化や位置センシング等の課題が残されている。 ロボット関節部へ適用可能な高出力、広角駆動、ロバスト性の高い制御が可能な球面電磁アクチュエータを開発のため、当該年度は、多自由度アクチュエータでありながら各軸の駆動を独立して制御可能なアクチュエータの磁路構成決定を目標として開発を行ってきた。実際には磁路構成の決定を完了し、三次元有限要素法を用いた電磁界解析によりアクチュエータの特性を把握し、三軸の同軸動画可能であることを確認することができた。 また当該年度は、アクチュエータの適切なフィードバックを行うために必要な、可動子絶対回転角度の検出システムの開発も行った。現在までにイメージセンサを用いた位置検出を実現させているが、累積誤差が発生するなどの課題が残されていたため、この問題を解決可能な絶対位置検出法の提案、実装を行った。具体的にはホール素子を用いた方法、カラーセンサを用いた方法の二つについて検証を行った。ホール素子を用いた方法については、電磁界解析によりアクチュエータ可動子角度と周囲の磁界強度の関係を求めた。その結果、適切な測定には可動子に大型機構の追加が必要であることがわかり、センサシステムの小型化のため、カラーセンサを用いた方法について検証することを決定した。アクチュエータにカラーセンサを実装し検証実験を行った結果、三軸の回転角度を測定可能であることを確認できた。球面アクチュエータに適用可能な有効な角度測定法として期待されるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
球面アクチュエータの基本磁路構成決定および特性解析、カラーセンサによる角度測定法の検証を完了し、それぞれの有効性を確認することができた。これらは当初の目標とほぼ一致しており、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
アクチュエータ開発については、試作機を用いた実機検証を行う予定である。そのためにアクチュエータの回転角度を測定可能な測定器の設計、製作を行う。その後アクチュエータをオープンループ駆動およびクローズドループ駆動させた際の動作特性の測定を行い、提案アクチュエータの有効性および動作特性解析の妥当性を明らかにする。 センシングシステム開発については、カラーセンサによる角度測定の精度向上を目指し、可動子の着色方法、センサの設置方法および設置位置、センサ出力の処理方法等の検討を進めていく予定である。
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