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2013 年度 実績報告書

MPA(海洋保護区)導入の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J00691
研究機関九州大学

研究代表者

高科 直  九州大学, 大学院理学研究院, 特別研究員(DC1)

キーワード海洋保護区 / 生態系保全 / 漁業資源管理 / 数理モデル / Ecosystem-based fishery management
研究概要

昨年度より投稿中であった申請書の研究目的・内容[1]の研究は国際誌Journal of Theoretical Biologyに受理された。これはしばしば崩壊漁業資源にみられる, 漁獲量の大幅な規制後にも長期的に資源回復が起こらない現象に対し, 複数安定状態の存在が資源回復の起こらない現象に寄与している可能性に言及したものである。また, この現象に対して海洋保護区導入という観点から議論し, 漁獲量の規制の空間的スケールが資源回復の成否に影響する主なメカニズムである可能性を示した。
また本年度の9月末より申請書内で言及されているカリフォルニア大学のMarissa Baskett教授と, 研究目的・内容[3]にある, 社会経済学的な視点を取り入れた海洋保護区の効果的な導入方法を明らかにする研究を行っている。この研究では特に人為的に決定可能な空間スケール(資源管理領域の空間的単位など。以下マネジメントスケールと呼ぶ)が資源管理のアウトプットにどのような影響を及ぼすかについて数理的に解析したものである。一般的にマネジメントスケールが小さくなればより適応的な資源管理ができる可能性が高まるが, そのマネジメントスケールを達成するためのコストや達成後のコスト(アセスメントなど)とはトレードオフの関係にあり, そのため資源管理の経済的利益を最大化させるような最適なマネジメントスケールが存在することを明らかにした。これらの研究は現在論文にまとめ国際誌へ投稿準備中である。さらに上述の研究[3]の発展として, しばしば資源管理計画でみられるようなマネジメントスケールの階層化(これは例えばトップダウン型の資源管理において, ステークホルダーの上位層(政府など)と下位層(漁業者など)間でマネジメントスケールが共有されないような場合に生じる)が引き起された際, 上記の最適なマネジメントスケールのアウトプットにどのように影響を与えるかを明らかにする共同研究を, 上述のBaskett教授に加え, 同大学のJames Sanchirico教授らと行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究[1]が国際誌に受理され, 研究[3]も投稿準備中であるため。

今後の研究の推進方策

研究[3]が仮定しているステークホルダーのperfect knowledgeの仮定を緩めたり, マネジメントスケールの階層化を取り入れた場合の効果を議論する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of Marine Protected Areas on Overfished Fishing Stocks with Multiple Stable States2014

    • 著者名/発表者名
      Nao Takashina
    • 雑誌名

      Journal of Theoretical Biology

      巻: 341 ページ: 64-70

    • DOI

      10.1016/j.jtbi.2013.09.027

    • 査読あり
  • [学会発表] 海洋保護区のインパクト : 保護区はいつでも有効か?2013

    • 著者名/発表者名
      高科 直
    • 学会等名
      日本応用経済学会
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2013-06-15
    • 招待講演
  • [備考]

    • URL

      https://sites.google.com/site/ntakasina/

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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