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2012 年度 実績報告書

Membrenome創薬 ~膜の認識・融合・制御を達成するDDSの創成~

研究課題

研究課題/領域番号 12J00737
研究機関大阪大学

研究代表者

林 啓太  大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードベシクル / DDS / Membranome / 膜特性 / 膜融合 / 膜-膜間相互作用 / 分子集合体 / 薬物動態
研究概要

「研究の目的」
本研究の目的は,抗がん剤を効率的にがん細胞へ輸送するシステムの確立である.これまで行われてきた方法として,カプセルを用いた方法が検討されてきた.カプセルにがん細胞と相互作用するタンパク質を修飾し,がん細胞選択的に抗がん剤を輸送する方法である.ほとんどの研究において,そのタンパク質とがん細胞の相互作用は広く議論しているが,カプセル自身の特徴に着目し,がん細胞とカプセルとの相互作用を議論した研究はほとんど行われていない.本研究は,カプセルの膜特性に着目し,カプセル自身が持つ,がん細胞との相互作用の強さを検討した.
「研究成果」
がん細胞に対し,異なる膜特性を有するカプセルを添加し,その取り込み量を評価した.その結果,柔軟な膜構造を有するカプセル(Span80ベシクル)を多く取り込むことが明らかとなった.一方で,固い膜構造を有するカプセル(リボソーム)はあまり細胞に取り込まれなかった.さらに,カプセルの取り込み経路について議論した.リボソームはエンドサイトーシスという細胞が物質を取り込むメカニズムにより取り込まれることが明らかとなった.エンドサイトーシスの場合,抗がん剤が細胞全体に行き渡りにくい.一方で,Span80ベシクルは膜融合により,がん細胞へと取り込まれている可能性が示唆された.膜融合の利点として,抗がん剤を直接、細胞質へ送達することが可能である.従って,抗がん剤を細胞全体へ拡散させることが可能である.実際に,リボソームとSpan80ベシクルの場合で,抗がん活性を評価したところ,Span80ベシクルの方が、より高い抗がん活性を示すことが明らかとなった.
「意義・重要性」
既存の研究では,カプセル自身の特性にはほとんど言及されていない.しかし,本研究では,カプセル自身の特性の重要性を示すとともに,どのような特性のカプセルが細胞との相互作用に有利であるか,という指針をしめすことが出来た.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Membrane interaction between Span 80 vesicle and phospholipid vesicle(liposome): Span 80 vesicle can perturb and hemifuse with liposomal membrane2013

    • 著者名/発表者名
      林啓太
    • 雑誌名

      Colloids and Surfaces B: Biointerfaces

      巻: 106C ページ: 258-264

    • DOI

      10.1016/j-colsurfb.2012.12.022

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Enhanced cytotoxicity for colon 26 cells using Doxorubicin-loaded sorbitan monooleate(span 80) vesicles2013

    • 著者名/発表者名
      林啓太
    • 雑誌名

      International journal of biological sciences

      巻: 9(2) ページ: 142-148

    • DOI

      10.7150/ijbs.5453

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Active Targeting to Osteosarcoma Cells and Apoptotic Cell Death Induction by the Novel Lectin Eucheuma serra Agglutinin Isolated from a Marine Red Alga2012

    • 著者名/発表者名
      林啓太
    • 雑誌名

      Journal of drug delivery

      巻: 2012 ページ: 11

    • DOI

      10.1155/2012/842785

    • 査読あり
  • [学会発表] Span80ベシクルを利用する膜融合型DDSのための膜表層デザイン2013

    • 著者名/発表者名
      林啓太
    • 学会等名
      化学工学会第78会年会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府)
    • 年月日
      20130317-20130319
  • [学会発表] Span80ベシクルの細胞傷害性と細胞の防御機能2012

    • 著者名/発表者名
      林啓太
    • 学会等名
      膜シンポジウム2012
    • 発表場所
      神戸大学(兵庫県)
    • 年月日
      20121106-20121107
  • [学会発表] Span80ベシクルによるモデル生体膜への膜撹乱効果2012

    • 著者名/発表者名
      林啓太
    • 学会等名
      化学工学会第44回秋季大会
    • 発表場所
      東北大学(宮城県)
    • 年月日
      20120919-20120921
  • [学会発表] Span80ベシクルの膜特性ならびにがん細胞との相互作用2012

    • 著者名/発表者名
      林啓太
    • 学会等名
      第28回日本DDS学会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道)
    • 年月日
      20120704-20120705
  • [学会発表] タンパク質の識別に及ぼすSpan80ペシクルの膜特性の影響2012

    • 著者名/発表者名
      林啓太
    • 学会等名
      分離技術会年会2012
    • 発表場所
      関西大学(大阪)
    • 年月日
      20120601-20120602
  • [学会発表] 癌キラーベシクル~Span80ベシクルを用いたDDS~2012

    • 著者名/発表者名
      林啓太
    • 学会等名
      第2回技術シーズフォーラム
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府)
    • 年月日
      2012-10-31
  • [備考]

    • URL

      http://www.membranome.jp/B-ICE/

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公開日: 2014-07-16  

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