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2013 年度 実績報告書

日本人英語学習者を対象としたL2 Self Systemのモデル構築と拡張

研究課題

研究課題/領域番号 12J00739
研究機関関西大学

研究代表者

植木 美千子  関西大学, 外国語教育学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードL2動機づけ / 海外留学 / The L2 Motivational Self System / 多母集団共分散構造分析 / 動機づけの堅牢性(robustness of motivation)
研究概要

今年度は前年度で得た結果をもとに提案された拡張版L2 MSSの枠組みを用いて、学習者の情意面へのSAの影響について検証を試みた。本研究では、英検準1級用のCan-do Listを用いて、英語力の変化についても調べることとした。質問紙とCan-do ListはSA前とSA後に2回にわたり実施された。分析は、多母集団共分散構造分析(multi-group SEM)を用いておこなった。結果として、SA後は(a) L2不安が有意に低下し、(b) L2動機づけと英語能力の間により強い関係性が見いだされ、(c)義務L2自己のL2不安への影響も有意に低下し、(d)理想L2自己、自己効力感、L2学習態度(L2 learning attitude)に加えて義務L2自己までが、L2学習動機を有意に支える構図が明らかとなった。申請者は、この(d)に関してさらに考察を行い、「動機づけの堅牢性」(robustness of L2 motivation)という概念を提唱し、SAにより、動機を支える1つひとつの情意要因の影響がより強化されるだけではなく、動機を支える情意要因の数までが増えていき、その結果、L2学習へのより強い動機づけが得られるのではないか、と主張している。
前述した研究によって、確かに動機づけを支える要素間の関係性の変化については記述できたが、この変化が、「どのようにして」、そして「なぜ」生じるのかという問題までは踏み込めないままであった。そこで、第6章では、質的研究手法を用いて、この問題に取り組むことにした。分析の焦点を前述の研究で(L2動機づけへの)影響の顕著な変化が認められた(1)義務L2自己、(2)自己効力感、そして(3)L2不安に絞り、変化のプロセスを記述する事例(エピソード)を抽出し、解釈を行った。結果として、(a)SAを経て、義務L2自己がどのように理想L2自己に近い形に変化し、L2動機を支えるに至ったのか、(b)自己効力感の内容がどのように変化し、そのため、L2動機づけへの影響力がSA後に増したのか、そして(c)SA後に、どのようにL2不安が軽減し、動機づけへの負の影響が弱まったのか、という3つの個別プロセスの詳細が提示された。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Exploring the Concept of the Ideal L2 Self in an Asian EFL Context : The Case of Japanese University Students2013

    • 著者名/発表者名
      Ueki, M., & Takeuchi, O.
    • 雑誌名

      Journal of Asian TEFL

      巻: 10 ページ: 25-45

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Forming a clearer image of the ideal L2 self : The L2 Motivational Self System and learner autonomy in a Japanese EFL context2013

    • 著者名/発表者名
      Ueki, M., & Takeuchi, O.
    • 雑誌名

      Innovation in Language Learning and Teaching

      巻: 7 ページ: 238-252

    • DOI

      10.1080/17501229.2013.836205

    • 査読あり
  • [学会発表] L2動機を支えるものはどう変化しているのか? ―L2動機モデルの構造変化に関する質的研究―2013

    • 著者名/発表者名
      植木美千子・竹内理
    • 学会等名
      第53回外国語教育メディア学会 全国研究大会
    • 発表場所
      文京学院大学(東京都)
    • 年月日
      2013-08-08

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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