研究課題/領域番号 |
12J00932
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清水 良彦 九州大学, 人間環境学研究院, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 授業分析 / 授業研究会 / 子どもの参加 / 保護者の学校参加 / 授業の事実 / 重松鷹泰 |
研究概要 |
本研究の目的は、授業分析の新たな実施主体として子どもや保護者が参加する「子どもによる授業分析」及び「保護者による授業分析」を開発・実施し、授業実践の多面的な解釈・分析を可能とする新たな授業分析方法を開発することである。本年度は(1)研究対象校における授業分析の実施、(2)授業研究会の調査、(3)文献研究・学会参加・論文作成の3点を進める計画を立てた。それに対し、(3)文献研究・学会参加・論文作成において査読有論文3本を含む5本の論文が学会誌等に掲載されるなど顕著な進展が見られた。特に子どもによる授業分析プロセスの研究や子どもの授業分析視点の研究の2つは研究課題を遂行する上で重要な研究である。また、「保護者による授業分析」の開発及び保護者の授業分析視点に関する学会発表(九州教育学会)を行うとともに、2本の論文を作成し投稿中である。さらに、(2)授業研究会の調査では富山市立堀川小学校や奈良女子大学附属小学校、熊本大学教育学部附属小学校などにおいて公開授業見学及び授業研究会への参加を行い、各校における授業研究会の実態と授業者・参加者の授業分析視点を把握することができた。一方、(1)研究対象校における授業分析の実施については、研究対象となる教諭が平成24年度は第1学年担任となったため大幅な研究計画の変更を余儀なくされた。来年度に研究対象に設定する糸島市立波多江小学校での授業見学を6月以降行い、授業分析実施のためのラポールの形成を主眼とした継続的な調査を行った。第5学年にて調査を行ったが、授業者が初任であることを考慮し、本年度は本格的な授業記録の作成、授業分析の実施を見送り、次年度以降の実施に修正した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は授業分析の実施において計画の変更を行ったものの、次年度以降の調査の準備はできており、また論文執筆が想定以上に進展し5本の論文(内、3本は査読有り論文)を発表したことや授業研究会の調査を計画通り進めていること、国外の研究会での研究発表も行ったことから、「おおむね順調に進展している」という達成度が適切である。
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今後の研究の推進方策 |
研究対象校として選定した糸島市立波多江小学校における調査に加え、具体的には決定していないが福岡県筑豊地方の公立小学校での調査を進め、授業見学及び授業記録の作成、「子どもによる授業分析」「保護者による授業分析」の実施に取り組む。これは、研究フィールドの条件が不一致であった場合に柔軟に研究計画を変更するための方策である。 また、本研究課題を進める上で発表した7本の研究論文(2本は審査中)及びそれ以前の研究論文をもとに学位論文「多面的な授業分析の開発」を執筆する。この点については当初の計画通りに進行している。
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