研究課題
先行研究において、ユビキチンリガーゼ「CHIP」が、乳がんの悪性化への抑制作用をもつことが示された。さらに臨床研究においても、腫瘍組織においてCHIPの発現量が低下した乳がん患者は予後不良であることが示唆されている。そのため本研究では、乳がん細胞内においてCHIPの発現量を亢進させ、乳がん細胞の腫瘍形成能、転移能に対する抑制作用を持つ化合物を取得することを目的とした。前年度までに、CHIPのプロモーター領域を用いたスクリーニングシステムを構築し、保有する化合物ライブラリーから候補化合物の取得を終了した。本年度は以下に示したように、得られた候補化合物を用いてin vitro、in vivoにおける乳がん細胞に対する腫瘍形成抑制作用・転移抑制作用についての検討を行った。1.候補化合物を用いたin vitroでの遊走アッセイ、およびマトリゲル浸潤アッセイを行い、乳がん細胞の遊走能・浸潤能に対する抑制作用を評価した。2.候補化合物についてin vitroでの細胞増殖アッセイ、およびコロニーフォーメーションアッセイを行い、乳がん細胞の増殖能・足場非依存的増殖能に対する抑制作用を評価した。3.in vivo試験での取得化合物の効果を評価するため、免疫不全マウスを用いた腫瘍形成・転移実験の最適条件の検討を行った。4.得られた条件を用いて、マウスの皮下へのヒト乳がん細胞移植実験、および尾静脈へ注入したト乳がん細胞の肺への転移実験を行った。がん細胞移植・注入後のマウスに対して取得化合物を投与し、がんの増殖能への影響を評価した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Oncogene
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1038/onc.2014.387
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 452 ページ: 928-932
10.1016/j.bbrc.2014.09.011