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2014 年度 実績報告書

新規乳化法による表面修飾マイクロ粒子の創製と経肺投与薬物送達システムへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 12J01013
研究機関東京農工大学

研究代表者

高見 拓  東京農工大学, 大学院工学府, 特任助教

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードバイオマテリアル / DDS / 経肺投与法 / マイクロ粒子 / 表面修飾 / 界面活性剤
研究実績の概要

平成26年度では(1)methoxy-PEG-b-PLAの有する自己乳化特性の解明に挑み、(2)多孔質粒子の多孔質構造の形成機構の解明に挑んだ。
(1)これまでに、自己乳化作用に関する論文は数多く出されているが、PEG系の高分子系界面活性剤が有する自己乳化特性や機構というものは明らかにされていない。そこで、methoxy-PEG-b-PLA有機溶液と水との界面張力を測定し、界面に配向する分子鎖数を算出し、界面化学的現象に分子量の差が及ぼす影響を評価した。その結果、PEG分子量が増大するに従い界面に配向する分子鎖数は上昇し、分子量が9000程度を超えると逆に分子鎖数は減少するという結果が得られた。これは、分子量が増加するとPEG分子中に存在する酸素原子が増加し、水分子との水素結合数が増加しPEG-水-PEG間の結合が多く形成されたことが原因と予測できる。多くのPEG-水-PEG間の結合は高分子鎖同士を凝集させ、結果的に界面に配向する分子鎖数の上昇が生じたと考えられる。一方、分子量が増大しすぎると、大きい排除体積効果が生じ、PEG-水-PEG間の結合数が少なり、界面に配向する分子鎖数が減少したと考えられる。以上の様に自己乳化の特性は高分子の分子量により大きく影響し、水素結合の数と排除体積効果に支配されている現象であることがわかり、特異的な乳化機構の解明の糸口をつかむことができた。
(2)多孔質粒子の形成機構を光学顕微鏡で詳細に観察した結果、内部エマルションが不安定なものであった場合に多孔質粒子が得られることがわかった。不安定なエマルションの存在により、隣接するエマルションと合一しあい、有機溶媒除去時に外水相と連結することで空孔が形成されることが観察された。以上より、多孔質粒子を調製する場合には、エマルションの不安定性を巧みに制御することが重要であると判明した。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 薬物を送り込むための多孔質粒子2015

    • 著者名/発表者名
      高見拓, 村上義彦
    • 雑誌名

      化学と教育

      巻: 63 ページ: 22-23

  • [学会発表] 「一段階乳化」によるPEG-PLA/PLGA複合化マイクロ多孔質粒子の開発2014

    • 著者名/発表者名
      高見拓, 村上義彦
    • 学会等名
      第36回日本バイオマテリアル学会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2014-11-17 – 2014-11-18
  • [学会発表] Novel PEG-PLA/PLGA microparticles having porous surfaces for pulmonary drug delivery2014

    • 著者名/発表者名
      Takami, T., Murakami, Y.
    • 学会等名
      41th Annual Meeting & Exposition of the Controlled Release Society
    • 発表場所
      Hilton Chicago Hotel (Chicago, USA)
    • 年月日
      2014-07-13 – 2014-07-16
  • [学会発表] 「一段階乳化」による多孔質粒子の形成 ~経肺投与DDS への応用を目指した PEG-b-PLA/PLGA 複合化マイクロ粒子の開発~2014

    • 著者名/発表者名
      高見拓, 村上義彦
    • 学会等名
      第63回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2014-05-28 – 2014-05-30
  • [図書] 架橋の反応・構造制御と分析 事例集2014

    • 著者名/発表者名
      高見拓, 安齋亮介, 村上義彦
    • 総ページ数
      5 (pp 498-502)
    • 出版者
      技術情報協会
  • [図書] 注射剤・経口製剤に代わる新規薬剤投与デバイスの開発2014

    • 著者名/発表者名
      安齋亮介, 高見拓, 福田健吾, 村上義彦
    • 総ページ数
      3 (pp108-110 )
    • 出版者
      技術情報協会

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公開日: 2016-06-01  

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