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2012 年度 実績報告書

原子核内におけるベクトル中間子の質量変化に関する系統的研究の展開

研究課題

研究課題/領域番号 12J01196
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

川間 大介  独立行政法人理化学研究所, 延興放射線研究室, 特別研究員(PD)

キーワードJ-PARC E16 / Geant4 / GEM / FPGA
研究概要

今年度はJ-PARC E16実験に向けて主にソフトウェアの開発を行った。ひとつはGeant4を用いた実験全体の検出器を配置したモンテカルロシミュレーションの開発である。このシミュレーションを用いて実験エリアにおける中性子等のバックグラウンド粒子を防ぐシールドの設計、トリガーロジックの設計、さらにシミュレーションデータを用いて解析ソフトウェア(主に磁場中での粒子の飛跡解析)の開発などを行っている。
また、E16実験での主要検出器であるHadron Blind Detector(HBD)で用いるGEMの三次元電場計算も行った。この計算電場を用い、HBDで用いるCF_4ガス中での光電子の振る舞いをシミュレート・理解することによりHBDの光電子の収集効率の向上を図った。これはHBDの役割であるハドロン(主にπ中間子)除去に直接関わる数字であり、E16実験の実施にあたって非常に重要な数値である。2012年6月・2013年1月に行った2回のテスト実験を経て当初の目標であるハドロン除去能率100を達成する見込みが立ったので今後実際に検証し、量産体制に入る予定である。
さらにFPGAを用いたトリガー回路の設計も開始している。本実験は非常に高計数率(5kHz/mm^2)な環境下でのデータ取得が求められるため、GEMを用いた多チャンネル読み出しの検出器を数多く用いている。このためそれに対応した電子回路の設計は必須である。特にFPGAを用いた信号処理は重要な技術であり、私はトリガー回路中でのFPGAの設計を担当している。現在試作品を開発しており、今後ビームテスト等を経て実機製作を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

検出器開発は概ね順調に進んでおり、今年度は実機の量産に向けての最終体制を整えることができた。また、シミュレーションコードやデータ解析コードについても順調に開発を進め土台を完成させることができた。

今後の研究の推進方策

検出器の量産体制は整ったのでデータ取得のためのデータ回路、DAQソフトウェアの開発を行っていく。特に既に開発を開始しているFPGAを用いたトリガー回路を来年度前半に集中的に開発を行い、テストビームを用いた検証なども行う予定である。並行してデータ解析コード、特に粒子の飛跡追跡コードを開発し、細かい問題点の洗い出しや2015年度に予定されているビームタイム後の迅速な解析に向けて準備を行う。

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公開日: 2014-07-16  

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