研究概要 |
今年度は,主に以下の4つについて研究を行った.1,2は研究実施計画にあったもの,3,4はなかったものである. 1.常微分方程式へのウェーブレットガレルキン法の応用について,得られた結果を論文にまとめた.そして,その結果の2次元,3次元への拡張を行った.1変数関数のテンソル積によって2次元,及び3次元の基底関数を構成し,具体的な係数行列の値を導出した.さらに,コンピュータシミュレーションによって,構成した関数の有効性を実証した.この研究は木下保氏,及び久保隆徹氏との共同研究である. 2.1における基底関数の構成法を,双直交ウェーブレットに対して適用した.特に,補間ウェーブレットを修正した基底関数を構成することで,短時間で,高精度の近似解が得られることを示した.この研究については,来年度以降,有限要素空間のメッシュの切り方を変えて,三角形分割などに対する基底関数の構成に取り組む予定である. 3.時間及び周波数空間において同時にGevreyクラスの滑らかさを持つウェーブレットの構成を行い,構成した関数の時間周波数窓の大きさなど諸性質を導出した. 4.これまで帯域制限ウェーブレットはMeyer型のウェーブレットやMSFウェーレットなどいくつかの例しか知られていなかったが,Meyer型のウェーブレットが帯域制限となる事実を一般化する形で,ローパスフィルターに対してより緩い条件の下で帯域制限ウェーブレットを構成した. 3,4は木下保氏,及び上原伊音氏との共同研究である.
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今後の研究の推進方策 |
長方形領域における近似解の構成については,ある程度の結果を得ることができた.今後は,異なる領域におけるnon-separableな基底関数の構成に取り組む.これまで用いてきたテンソル積による2次元の関数の構成は適用できなくなるが,リフティングスキームなどをうまく応用することで新たな基底関数が構成できるのではないかと期待している.また,より自然現象を表現するモデルに近い形の微分方程式も扱っていく予定である.
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