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2014 年度 実績報告書

生体を「鋳型」とする生体内機能性分子の鋳型有機合成と展開

研究課題

研究課題/領域番号 12J01286
研究機関大阪大学

研究代表者

岩田 隆幸  大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード鋳型誘起合成 / 2-アミノイミダゾール / アルギニン / 共役アルデヒド / アゲラジン / Dyrk1A
研究実績の概要

報告者はこれまでに、生体内分子相互作用を選択的に制御する方法として、鋳型となるタンパク質に相互作用する分子構造を鋳型から有機合成化学的に写し取る「鋳型誘起合成」を開発し、細胞内シグナル伝達を選択的に阻害するペプチド分子の創製に成功している。本研究課題では、本法を組織上あるいは動物内のタンパク質においても汎用的に利用できる方法とすることを大きな目的としており、昨年度までにアルギニンに対して様々なアミンや共役アルデヒドを連続して作用させることで、天然物であるアゲラジンをアルギニン側鎖上に導入できることを見出した。そこで、今年度は本法において合成したアゲラジン‐アルギニン複合体の生物活性について詳細に検討を行ったところ、既知のアゲラジン誘導体では全く報告されていない顕著な神経分化促進活性を持つことが分かった。また、既知のアゲラジン誘導体においては神経分化を抑制するキナーゼDyrk1Aを阻害することが知られているが、この複合体ではこのDyrk1Aに対する阻害活性を全く示さなかった。この結果から、複合体は他のキナーゼを阻害するかもしくはエピジェネティックスを制御している可能性が示唆された。さらに、本合成法を用いてアゲラジン誘導体の迅速なライブラリー合成を行い、それらの神経分化活性についても検討した結果、p-フルオロフェニル基を持つ誘導体において神経分化を抑制することも見出すことができた。これまでの結果から本合成法はタンパク質にも適応可能であると考えられ、今後はアゲラジン骨格をベースとして鋳型誘起合成を実施することで、未解明のターゲットタンパク質に選択的なリガンドの創成や、さらにはそのリガンドを用いることによって神経分化の促進および抑制を制御することができると期待される。また、生体内のアルデヒドを利用することで組織上、動物内において直接的に鋳型分子の創成することができると考えられる。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] Ageladine A誘導体のワンポット合成と神経分化促進活性2015

    • 著者名/発表者名
      岩田隆幸、大塚悟史、坪倉一輝、新井大祐、深瀬浩一、中尾洋一、田中克典
    • 学会等名
      日本化学会第95春季年会
    • 発表場所
      日本大学船橋キャンパス、千葉県船橋市
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-29
  • [学会発表] One-Pot Total Synthesis and Bioactivity Remodeling of Ageladine A2014

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Iwata, Koichi Fukase, Katsunori Tanaka
    • 学会等名
      Swiss-Japanese Chemical Biology Symposium
    • 発表場所
      Bern, Switzerland
    • 年月日
      2014-10-20 – 2014-10-21
  • [学会発表] One-Pot Total Synthesis of Ageladine A Inspired by Arginine Post-Translational Modification and its Application to Bioactivity Remodeling2014

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Iwata, Koichi Fukase, Katsunori Tanaka
    • 学会等名
      第5回大津会議
    • 発表場所
      大津プリンスホテル、滋賀県大津市
    • 年月日
      2014-10-20 – 2014-10-21
  • [学会発表] アルギニンの翻訳後修飾に学ぶ血管新生阻害剤ageladine Aのワンポット全合成と活性リモデリング分子の創製2014

    • 著者名/発表者名
      岩田隆幸、大塚悟史、坪倉一輝、新井大祐、深瀬浩一、中尾洋一、田中克典
    • 学会等名
      第56回天然有機化合物討 論会
    • 発表場所
      高知県立県民文化ホール、高知県高知市
    • 年月日
      2014-10-02 – 2014-10-04
  • [学会発表] One-Pot Total Synthesis of Ageladine A: Remodeling of Bioactivity2014

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Iwata, Koichi Fukase, Katsunori Tanaka
    • 学会等名
      EPFL-Osaka University workshop
    • 発表場所
      Lausanne, Switzerland
    • 年月日
      2014-09-29

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公開日: 2016-06-01  

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