研究課題
まず背景として、採用者らの先行研究によりCa2+/CaM-CaMKK-CaMKIカスケードを介した幼弱錐体細胞移動の制御モデルが想定されていた。こうした作業仮説に基づき、本研究は幼弱錐体細胞移動の背景にCa2+依存的制御機構があること示し、一連の分子実体を明らかにすることを目的としている。平成26年度の具体的な研究実績は以下である。本研究では昨年度までに、Ca2+プローブを用いたスライスイメージングの実験系を用いて、細胞内Ca2+動態と細胞移動速度との相関解析を行うことに既に成功していた。本年度はこれまで得られた実験結果に対し、定量的・統計的解析を行い、細胞内Ca2+動態と細胞移動速度との間にある全く新しい関係性を見出した。更に本年度は、移動中神経細胞を対象とした薬理学的・遺伝学的操作により、細胞内Ca2+上昇とその下流で活性化するCaMKIの神経細胞移動における機能的意義をそれぞれ検討し、新たな知見を得た。以上の様に本年度はCa2+/CaM-CaMKK-CaMKIカスケードを介した神経細胞移動の制御メカニズムについて多角的な検討に成功しており、得られた研究実績に基づく投稿論文の執筆を既に開始している。また本研究成果は既に東京大学大学院博士審査会にて報告し、博士号(医学)授与にふさわしいとの評価を受けた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nat Methods
巻: 12 ページ: 64-70
10.1038/nmeth.3185.