研究課題
全天 X 線監視装置 MAXI の過去5年以上にわたる全観測データを、独自開発のソフトウェアを用いて解析し、MAXIの全てのエネルギー帯域のバックグラウンドに対して高い再現性を持つモデルを構築した。これは MAXI の長期観測データを用いたサイエンスの基礎となる重要な成果である。このモデルを用いて MAXI の銀河面X線源カタログの作成に着手した。また、昨年度に引き続いて、MAXI を用いてブラックホール連星の X 線光度変動を常時監視した。その結果、9月・10月に H1743-322、4U 1630-472 の増光を検出し、それぞれの天体に対して X 線衛星「すざく」と米国の硬X線衛星 NuSTAR による国際同時観測を実施した。現在、これらの観測データの解析を共同研究者とともに進めており、近日中に論文化する予定である。さらに、2015 年度打ち上げ予定の X 線天文衛星 ASTRO-H のミッションチームにも参加し、ブラックホール X 線連星の観測に向けた具体的な科学的・技術的検討を行い、チームのメンバーとともに観測立案を行うことで、プロジェクトに貢献した。また、前年度に Astrophysical Journal 誌に発表したブラックホールX線連星 MAXI J1305-704 および H 1743-322 の観測成果を、12 月にイタリアで行われた国際会議 ”Swift: 10 Years of Discovery” など複数の国際会議・国内研究会で発表し、博士論文としてまとめた。これまでのブラックホール X 線連星に関する研究成果と MAXI・すざく・ASTRO-H ミッションへの貢献が京都大学から高く評価され、2015 年 3 月に京都大学優秀女性研究者賞(たちばな賞)を受賞した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)
The Astrophysical Journal
巻: Volume 798 ページ: 27:1-10
10.1088/0004-637X/798/1/27
Publications of the Astronomical Society of Japan
巻: Volume 67 ページ: 印刷中
10.1093/pasj/psv003
巻: Volume 789 ページ: 100:1-12
10.1088/0004-637X/789/2/100
巻: Volume 790 ページ: 20:1-11
10.1088/0004-637X/790/1/20
巻: Volume 66 ページ: 84:1-12
10.1093/pasj/psu060
巻: Volume 66 ページ: 87:1-14
10.1093/pasj/psu063