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2014 年度 実績報告書

強相関ヘテロ接合における界面量子状態の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J01742
研究機関京都大学

研究代表者

上田 克  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード物性理論 / 強相関電子系 / 人工超格子構造 / モット絶縁体 / 界面・表面
研究実績の概要

強相関電子系研究の新たな切り口として、近年、遷移金属酸化物のヘテロ接合系が注目を集めている。これらのヘテロ接合界面では、電子の持つスピン・電荷・軌道自由度が複雑に競合することで、エキゾチックな量子凝縮相の出現が期待されている。こうした非一様系における電子相関効果の性質を明確にすべく、今年度は次の解析を行った。
・モット絶縁体/金属超格子における電子相関効果の研究
強相関ヘテロ接合の研究において、近年、遷移金属酸化物からなる人工超格子構造が大きな注目を集めている。モット絶縁体LaVO3と常磁性金属SrVO3からなる人工超格子では、電気抵抗の温度依存性に特徴的なピーク構造が出現すると共に、そのピーク位置はSrVO3の積層数に応じて、強い偶奇性を示すことが実験的に報告されている。一方で、こうした偶奇性の出現機構についての理解は不十分であり、早急な理論解析が求められていた。
以上の点を踏まえ、本研究ではモット絶縁体と金属からなる超格子構造を対象にして、電子相関効果と超格子の周期性との絡み合いに着目した解析を行った。解析の結果、温度変化によって三次元的なエネルギー分散から二次元的なものへの次元クロスオーバーが生じることを見出した。さらに、系の電気抵抗には特徴的なピーク構造が形成されることを明らかにした。こうした振る舞いは、モット絶縁体と金属との界面で生じる近藤スクリーニングに由来するものであり、実験で確認された電気抵抗の温度依存性とも一致していることを指摘した。加えて、電気抵抗のピーク位置は金属層の積層数に強く影響され、抵抗のピーク温度に強い偶奇性をもたらすことを指摘した。この結果は、超格子の周期性と近藤効果との密接な絡み合いを示唆していると考えられ、超格子構造に特有な振る舞いであることを指摘した。

現在までの達成度 (段落)

本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。

今後の研究の推進方策

本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] ハバード超格子における電子相関効果の理論的研究2015

    • 著者名/発表者名
      上田克、川上則雄
    • 学会等名
      日本物理学会 第69回秋季大会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2015-03-23
  • [学会発表] モット絶縁体からなる人工超格子における電子物性の理論的研究2015

    • 著者名/発表者名
      S. Ueda, and N. Kawakami
    • 学会等名
      APS March Meeting 2015
    • 発表場所
      San Antonio, Texas, USA
    • 年月日
      2015-03-02
  • [学会発表] モット絶縁体からなる人工超格子における電子物性の理論の研究2014

    • 著者名/発表者名
      上田克、川上則雄
    • 学会等名
      日本物理学会 第69回秋季大会
    • 発表場所
      中部大学
    • 年月日
      2014-09-10
  • [学会発表] A theoretical study of interface phenomena in heterostructures of Kondoinsulators2014

    • 著者名/発表者名
      S. Ueda, N. Kawakami, and M. Sigrist
    • 学会等名
      SCES2014
    • 発表場所
      Grenoble, France
    • 年月日
      2014-07-09

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公開日: 2016-06-01  

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