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2012 年度 実績報告書

新規サイトカインIFNγrelを用いた魚類感染症予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12J01831
研究機関日本大学

研究代表者

柴崎 康宏  日本大学, 獣医学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードインターフェロン / IFNγrel / 魚類免疫 / 抗ウイルス活性
研究概要

これまでに我々は2種類のインターフェロン遺伝子、IIFNγyrel1、及びIFNγrel2を発見していたが、両者は推定アミノ酸配列のC末端領域に核内移行シグナル(NLS)様配列を持つもの(IFNγrel1とした)、及び持たないもの(IFNγrel2とした)という構造上の違いを持っていた。このことから、両者には、細胞内シグナル伝達機構の違いがあることが示唆されたため、以下の研究を行った。
(1)ギンブナ由来培養細胞に対し、IFNγrel1、及びIFNγrel2の組換え体で処理し、各リガンドの細胞内局在を調べた。その結果、アミノ酸C末端領域にNLS様配列を持つIFNγrel1のみが核内移行した。GFP遺伝子に、IFNγrel1のみがアミノ酸C末端領域に持つNLS様配列を結合したベクターを作製した。この発現ベクターを培養細胞に遺伝子導入し、局在を調べたところ、IFNγrel1のNLS様配列を付加したものは核内のみに発現が認められた。
(2)組換えIFNγrel1、及びIFNγrel2で処理したギンブナ由来培養細胞に対し、既知のサイトカインにとって重要な転写因子である、STATのリン酸化をウェスタンブロットにより調べた。その結果、既知のインターフェロンが抗ウイルス活性を示す際に重要な転写因子、STAT1のリン酸化はいずれのIFNγrelで処理した際も認められなかった。IFNγrel1はSTAT6の、IFNγrel2はSTAT3のリン酸化を引き起こした。
(3)IFNγrel1、またはIFNγrel2によってリン酸化が引き起こされたSTAT6、またはSTAT3の転写活性を評価するため、ルシフェラーゼレポーターアッセイを行った。その結果、IFNγrel1はSTAT6の、IFNγrel2はSTAT3の転写活性を上昇させることが明らかとなった。
これらの結果から、IFNγrel1、及びIFNγrel2は既知のインターフェロンとは異なった細胞内シグナル伝達経路を介し、抗ウイルス活性を示すことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究の大きな目的の一つである、IFNyrelが新規インターフェロンであることの証明には、構造、細胞内シグナル伝達機構、および受容体の3点が新規であることを証明する必要がある。
平成24年度においては、そのうち、構造および細胞内シグナル伝達機構が新規であることを示し、IFNyrelが新規インターフェロンであることの証明に大きく近づいたため。

今後の研究の推進方策

IFNyrelが新規インターフェロンであることの証明に必要な受容体の新規性について検討する。
また、平行して生体を用いた感染試験を行い、IFNyrelの発現動態や、組換えIFNyrelの投与効果について検討する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 高濃度アスコルビン酸投経口投与がニジマスインターフェロン(IFN) γの発現に及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      金井香澄、難波亜紀、柴崎康宏、籔健史、石川孝典、横塚哲也、安寮寛、関野伸宏、中西照幸
    • 学会等名
      平成25年度日本魚病学会春季大会
    • 発表場所
      日本大学 生物資源科学部
    • 年月日
      2013-03-09
  • [学会発表] 魚類特有の新規インターフェロン、IFNγrelの抗ウイルス活性機構2012

    • 著者名/発表者名
      柴崎康宏、藪健史、関野伸宏、司馬肇、山下倫明、森友忠昭、中西照幸
    • 学会等名
      第85回日本生化学会大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場・マリンメッセ福岡
    • 年月日
      20121215-20121216

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公開日: 2014-07-16  

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