研究課題/領域番号 |
12J01946
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
劉 志 総合研究大学院大学, 複合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | マルチビュービデオ / ビデオストリーミング / distributed source coding / マルコフ決定過程 / 多重記述符号化 / フレーム修復 / DIBR |
研究概要 |
マルチビュービデオは、フリービューポイントテレビ、没入型ビデオ会議などの次世代視覚通信を実現するためのコア技術であり、ネットワークに損失が存在する場合におけるマルチビュービデオの有効な伝送方法が重要である。この研究では、誤り耐性を有するマルチビュービデオの有効なストリーミング方式を提案することが目的である。インタラクティブなマルチビューストリーミングとTexture plus Depthフォーマットを利用したDepth Image Based Rendering(DIBR)技術の有効な適用方法について焦点を当てる。 平成24年度では、研究計画に従い、ビデオストリーミングのおける既存研究に関する論文調査を行った。それに基づき、視点切換えとエラー回復機能を同時にサポートする新しい符号化技術として、uniform-distributed source coding(uDsc)と呼ばれるフレーム方式を提案した。また、無線および有線のネットワークシナリオにおけるレートの最大化と歪みの最小化を同時に図るパケット伝送方式について検討した。 さらに、無線ネットワークにおけるパケット損失は通常連続して発生することに考慮し、複数の通信経路間で発生するパケット損失の独立性と、隣のビュー間の強い相関性を利用し、多重記述符号化による品質の高いビデオ伝送の方法を開発した。この方法では、それぞれの記述を別々な通信経路で選択的に伝送し、ネットワーク伝送における損失を有効に回復することがその特徴である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
論文サーベイとH.264JMに基づくDodecの開発を完成し、さらに新しい方式を提案した。その成果として、ジャーナル論文1篇と、査読付き国際会議論文3篇(うち2篇は発表済み)の採択があった。これは当初の計画を上回る進展である。
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今後の研究の推進方策 |
多重記述符号化を用いたマルチビュービデオの伝送の有効性をある程度明らかにしたが、より高い伝送品質を追求することが次の焦点となる。また、モバイルユーザがバッテリーを使っているため、消費電力と伝送品質のトレードオフについても考えていく予定である。
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