研究課題
○カエデマウスを用いた皮膚からリンパ節への細胞移動の検討従来皮膚からリンパ節へ移動可能な細胞は、樹状細胞だけだと思われてきた。しかし、制御性T細胞が皮膚からリンパ節へ移動することが報告されている。そこで我々は、光転換により皮膚の細胞を赤く標識することができるカエデマウスを用いて、皮膚からリンパ節への細胞移動を網羅的に解析した。その結果、定状状態で皮膚からリンパ節へ移動する細胞の7割は樹状細胞であった。しかし驚くべきことに、CD4陽性T細胞、制御性T細胞、γδT細胞などのリンパ球も皮膚からリンパ節へ移動していることを見出した。次に2,4-Dinitrofluorobenzeneを用いて皮膚炎をおこし、皮膚からリンパ節への細胞の移動が変化するか検討した。その結果、皮膚からリンパ節へ移動した細胞の多くをCD4陽性T細胞、制御性T細胞などが占めるようになり、樹状細胞は3割程度に減少した。っまり、皮膚が炎症などにより変化することにより、皮膚からリンパ節へ移動する細胞も変化することを見出した。これは、皮膚の状態が全身免疫に影響を与える可能性を強く示唆するものである。
2: おおむね順調に進展している
申請書に記載した4つの研究項目のうち3つを今年度まで達成しており、おおむね期待通り研究が進展したと評価しました。
病態モデルを用いて皮膚γδT細胞の詳細な働きを検討する。また、2光子励起顕微鏡を用いて皮膚内、リンパ節内におけるγδT細胞のライブイメージングを行う。
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