研究課題/領域番号 |
12J02074
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
新山 智基 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 特別研究員(PD)
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キーワード | 顧みられない熱帯病 / ブルーリ潰瘍 / NGO / 国際協力 / 西アフリカ / ガーナ : トーゴ : ベナン / 感染症 |
研究概要 |
本研究では、「顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases)」を素材とし、感染症の実態・地球規模での取り組みとNGO支援の展開を考察することにある。該当年度では、昨年度実施した調査を公開するとともに、アフリカ現地での「支援」に焦点を当てた調査を実施した。 昨年度の調査をもとに執筆した論文「トーゴ共和国における顧みられない熱帯病・ブルーリ潰瘍と国際協力」では、トーゴ共和国のブルーリ潰瘍の実態および現地で展開している国際支援の状況、また、隣国であるガーナ共和国・ベナン共和国との支援モデルを比較対象として明示することで、国際機関(WHO)・政府・NGOの3者間の役割や関係性を明らかにした。 また、昨年度同様、西アフリカのトーゴ共和国での調査を実施した。Tsevie地域中央病院(Centre Hospitalier Regional de Tsevie)の医療従事者やトーゴ共和国で活動を展開している国際NGO団体のDAHW (Deutsche Lepra-und Tuberkulosehife e V、ドイツ)を中心に、顧みられない熱帯病対策・支援の現状、現地の支援ニーズや諸機関との連携に関する聞き取り調査を実施した。 国内では、日本で数少ないブルーリ潰瘍支援団体である神戸国際大学ブルーリ潰瘍問題支援プロジェクト(Project SCOBU)への活動・支援の聞き取り調査やブルーリ潰瘍研究者との学術的な交流を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、「顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases)」を素材とし、感染症の実態・地球規模での取り組みとNGO支援の展開を考察することにある。本年度は、昨年度に引き続き、トーゴ共和国でのフィールド調査を実施し、医療従事者やNGO関係者などへの聞き取り調査を通じて、顧みられない熱帯病への支援に関する実態把握に務めた。本年度の研究計画通り進んでいるため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、昨年度に引き続き、トーゴ共和国でのフィールド調査を実施し、感染症とNGO支援の実態を調査することができた。本研究では、ガーナ共和国、トーゴ共和国、ベナン共和国の3ヵ国を中心に調査を進め、課題に取り組むことを目指している。特に、トーゴ共和国における情報は少なく、今後も定期的な調査は必要不可欠である。感染症に対する社会・経済などへの影響とそこに求められるNGO支援の意義を明らかにするために、現地でのさらなる調査を行うことで、研究課題を推進していく。
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