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2014 年度 実績報告書

神経系・心筋を侵すレトロウイルスの病原性発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J02172
研究機関北海道大学

研究代表者

中村 小百合  北海道大学, 獣医学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードALV / transformation / glioma / IL-1β / envelop
研究実績の概要

トリのグリオーマはトリ白血病ウイルスA亜群(ALV-A)に属する Fowl glioma-inducing virus (FGV)が原因であることが明らかになっている。加えて,国内のグリオーマ罹患鶏に心筋異常が発見され,心筋症の発生にALV 感染が関与することが浮き彫りになってきた。しかし,これらの病原性の分子基盤は明らかになっていない。そこで、申請者はALVの神経および心筋への病原性発現機構を解明するため,1)新たに分離されたALVの病原性解析,2)遺伝子組換え体による病原性解析,3)LTRの機能解析,4)転写因子の同定と比較を行うこととした。
これまでに,本年度はIL-1β発現量増加がSp-53株以外の神経病原性ALV株でも観察できるか否かを観察した。鶏卵に神経病原性ALV株5株を接種し,孵化後35日齢でのグリオーマ形成能と脳内のIL-1βのmRNA発現量を解析すると,強いグリオーマ誘発能を示したALV株ほど脳内のIL-1βmRNA発現量が多いことがわかった。これらの成績から,神経病原性ALV株による感染初期のアストロサイトの増殖はアストロサイトでのウイルスの盛んな増殖とそれに続くIL-1β産生が関与していることが示唆された。
また,これまでの成績からグリオーマ誘発ALVの発癌機構としてenv蛋白による発癌機序が関与することが推測された。そこで,Sp-53のenv蛋白をヒトアストロサイト株化細胞U251細胞に過剰発現させ,Transformation assayを実施した。その結果,陰性コントロールに比べ,Sp-53のenvを発現させた細胞で有意に多い細胞コロニーが観察されたことから,Sp-53のenv蛋白はアストロサイトの増殖を促進させる作用があることが推察された。この成績はグリオーマ誘発ALVの発癌にenv蛋白が関与しているという考えを支持するものである。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Astrocytic growth through the autocrine/paracrin production of IL-1β in the early infectious phase of fowl glioma-inducing virus2014

    • 著者名/発表者名
      Sayuri Nakamura, Kenji Ochiai, Asumi Abe, Sayaka Kishi, Koh Takayama, Yuji Sunden
    • 雑誌名

      Avian Pathology

      巻: 43 ページ: 437-442

    • DOI

      10.1080/03079457.2014.952621.

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-06-01  

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