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2014 年度 実績報告書

硫化水素合成酵素の内因性調節因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 12J02358
研究機関北海道大学

研究代表者

宮本 亮  北海道大学, 獣医学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード硫化水素 / アストロサイト / cystathionine β-synthase
研究実績の概要

硫化水素は有毒ガスとして認識されているが、哺乳動物の体内にも存在しており、近年、低濃度では抗酸化作用や抗炎症作用を示すことが報告されている。そのため硫化水素濃度の増加と減少はいずれも生体内機能に悪影響を及ぼす可能性がある。今年度は脊髄における硫化水素合成酵素の発現調節メカニズムについて検討した。ラット脊髄では硫化水素合成酵素のひとつであるcystathionine β-synthase(CBS)がアストロサイトに発現していた。しかし新生ラット脊髄からアストロサイトを培養したところ、ニューロン数の減少に伴ってCBS発現が低下した。一方、胎児ラット脊髄を用いてニューロン・アストロサイトの混合培養系を作製したところ、CBS発現は培養日数に応じて増加した。また新生ラットから分離したアストロサイトに胎児のニューロンを直接播種すると、減少したアストロサイトのCBS発現が回復することもわかった。さらに膜透過型cAMPの添加によっても培養アストロサイトのCBS発現の回復が認められた。CBSの発現レベルと一致して、アストロサイトのみの培養系ではCBSによる硫化水素産生量は低かったが、ニューロン・アストロサイト混合培養系、または膜透過型cAMPを処置したアストロサイトではCBSによる顕著な硫化水素産生が認められた。以上より、脊髄ではニューロンがアストロサイトのCBS発現と硫化水素産生を調節することが明らかとなった。アストロサイト内のcAMPがその調節を媒介している可能性がある。これらの知見は、ニューロン・アストロサイト間の相互作用不全が生体内の適正な硫化水素濃度維持の破綻につながることを示唆するものである。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Neuronal regulation of expression of hydrogen sulfide-producing enzyme cystathionine β-synthase2015

    • 著者名/発表者名
      Ryo Miyamoto, Ken-ichi Otsuguro, Soichiro Yamaguchi, Shigeo Ito
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: 未定 ページ: 未定

    • DOI

      10.1016/j.neures.2015.03.003

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ラット脊髄アストロサイトの硫化水素産生は神経シグナルにより調節される2015

    • 著者名/発表者名
      宮本亮、乙黒兼一、山口聡一郎、伊藤茂男
    • 学会等名
      第88回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋市)
    • 年月日
      2015-03-18
  • [学会発表] Cysteine aminotransferase and mercaptopyruvate sulfurtransferase contribute to hydrogen sulfide production in the peripheral nervous system2014

    • 著者名/発表者名
      Ryo Miyamoto、Ken-ichi Otsuguro、Soichiro Yamaguchi、Shigeo Ito
    • 学会等名
      17th World Congress of Basic & Clinical Pharmacology
    • 発表場所
      Cape Town International Congress Center (ケープタウン)
    • 年月日
      2014-07-17
  • [学会発表] H2S production in peripheral neurons is mediated by cysteine aminotransferase and mercaptopyruvate sulfurtransferase2014

    • 著者名/発表者名
      Ryo Miyamoto、Ken-ichi Otsuguro、Soichiro Yamaguchi、Shigeo Ito
    • 学会等名
      The Third International Conference on H2S Biology and Medicine
    • 発表場所
      京都大学(京都市)
    • 年月日
      2014-06-04

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公開日: 2016-06-01  

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