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2012 年度 実績報告書

停滞がもたらすリボソーム新機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J02403
研究機関京都産業大学

研究代表者

茶谷 悠平  京都産業大学, 総合生命科学部, 特別研究員(PD)

キーワードリボソーム / ポリペプチジルtRNA / 翻訳伸長 / 翻訳アレスト / 翻訳制御 / タンパク質
研究概要

近年、翻訳途上にあるリボソーム-新生途上鎖複合体は遺伝子発現制御、タンパク質品質管理、フォールディングなど様々な生理学的意義を持つとの報告が相次いでおり、これまで認知されていなかった生命現象の一端が明らかになりつつある。本研究は、合成途上のリボソーム並び合成途上鎖を解析対象とする新学術領域「Nascent chain biology」の発展に寄与するため、二通りのアプローチから合成途上鎖の全容解明を試みた。
1.全翻訳途上鎖の濃縮精製および質量分析
翻訳途上のリボソーム内部にのみ存在するpeptidyl-tRNAの濃縮、精製方法を確立し、合成途上にあるタンパク質の全容およびリボソームの動態を明らかにすることを試みた。peptidy1-tRNAはtRNAとペプチド鎖が共有結合しているため、その化学的性質を利用して精製を試みたところ、等電点電気泳動法などが有効な精製手段であることを見出した。しかし、質量分析の結果未だ濃縮が不十分であることや、純度に関しても改善が必要であることが分かった。
2.大腸菌全ORFの翻訳プロファイル作成
上記計画1.とは逆方向のアプローチとして、大腸菌の全遺伝子についての試験管内翻訳並び細胞内から目的タンパク質の途上鎖単離を行い、その翻訳産物の比較を行った。その結果、最近報告されたEF-P依存的に翻訳停滞が解消されるプロリンの連続配列などで強い翻訳停滞が引き起こされていることなどを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アプローチ(1)に関しては濃縮自体は成功したものの、当初目的としていた質量分析に足るサンプル精製方法が確立できておらず、更なる改善、もしくは実験系の抜本的見直しが必要である。アプローチ(2)に関しては十分量のデータを回収できたことから、統計解析、追加実験など重点的に推進していく。

今後の研究の推進方策

現在までに得られた翻訳プロファイルデータに関して統計的検討を行い、翻訳伸長調節が見られた遺伝子とその機能、発現部位などに相関が見られるかなど検討する。その後、分類されたクラスから典型的な遺伝子をピックアップしてより詳細な解析を行い、翻訳伸長速度調節に関しての新規知見獲得を目指す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ArfA recruits release factor 2 to rescue stalled ribosomes by peptidyl-tRNA hydrolysis in Escherichia coli.2012

    • 著者名/発表者名
      Chadani y Ito K, Kutsukake K, Abo T.
    • 雑誌名

      Molecular Microbiology

      巻: 86 ページ: 37-50

    • DOI

      10.1111/j.1365-2958.2012.08190.x

    • 査読あり
  • [学会発表] 大腸菌で見出された新規リボソーム解放機構とその生理学的意義2012

    • 著者名/発表者名
      茶谷悠平
    • 学会等名
      第9回21世紀大腸菌研究会
    • 発表場所
      滋賀県長浜市
    • 年月日
      2012-06-21

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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