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2013 年度 実績報告書

交流型-電気化学発光によって実現する周波数での複数色制御可能な新規発光素子

研究課題

研究課題/領域番号 12J02545
研究機関千葉大学

研究代表者

延島 大樹  千葉大学, 大学院融合科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード発光デバイス / 多色発光 / 電機科学発光 / 交流駆動
研究概要

本研究は、電気化学発光(ECL)を用いた新規の多色発光素子の実現を目的とする。ECL素子は溶液注入プロセスで作製可能な、生産性・コスト面で優位性を持つ新規発光素子である。申請者は交流電圧で駆動するECL素子の動作機構や特性向上についての研究を行なっており、今回は「交流ECLにおいて印加周波数を切り替えることで発光色を制御する機構」の実現を目指す。交流ECLによる発光色制御についての報告は本研究が初めてのものであり、また多色発光が可能な発光素子は産業的に高いインパクトを持つ。
この研究について、ルブレン(RUB)とジフェニルアントラセン(DPA)を溶解させた混合溶液系にて、黄色(@ 300 Hz)と白色(@ 1,000 Hz)の発光を、印加周波数によって可逆に切り替えることに成功している。しかし、この系では励起エネルギー移動などの副反応が異種材料間で生じるため、発光効率や輝度が低下してしまうことも同時に分かっていた。
この副反応過程を解析する実験の一環として、交流ECL駆動時の溶液中の物質の拡散挙動に対してデジタルシミュレーションを行った。シミュレーション用のプログラムは自作のものを利用した。その結果、これまで定性的な評価に留まっていた交流ECLモデルに対し、物質の拡散距離や生成種の失活度合い、副反応の起こりうる量などに対して定量性を持たせることに成功した。
また、副反応を防ぐ目的で検討を行ってきた「材料を電極上に固定したECLの系」に対する実験については、DNA/Ru (bpy)_3^<2+>組織体を利用した交流ECL素子について継続的な検討を続けた。溶液系ECL素子よりも圧倒的に高い周波数領域でECLを示すというユニークな特徴を有するこの材料であるが、一方でイオン交換膜にRu (bpy)_3^2を付与したものや、発光性の高分子材料を用いた別の電極固定系ではそのような挙動は見られないことが明らかとなった。これらの結果を比較し、現在この固定系について論文投稿の準備を進めている。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Electrochemical Materials for Novel Light Emitting Device and Dual Mode Display2013

    • 著者名/発表者名
      Taiki Nobeshima, Kazuki Nakamura, Norihisa Kobayashi
    • 雑誌名

      J. Photopolym. Sci. Tech.

      巻: 27 ページ: 397-402

    • DOI

      10.2494/photopolymer.26.397

    • 査読あり
  • [学会発表] 溶液系-電気化学発光で提案する新機軸な低コスト-発光デバイス2014

    • 著者名/発表者名
      延島大樹、中村一希、小林範久
    • 学会等名
      SATテクノロジー・ショーケース2014
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      2014-01-24
  • [学会発表] Alternating-Current-Driven Electrochemiluminescence for Solution-Based Multicolor Light-Emitting Device2013

    • 著者名/発表者名
      Taiki Nobeshima, Masaru Nakakomi, Kazuki Nakamura, Norihisa Kobayashi
    • 学会等名
      The International Display Workshops(IDW 13)
    • 発表場所
      Sapporo (Japan)
    • 年月日
      2013-12-04
  • [学会発表] 交流電圧で駆動する電気化学発光を用いた新規発光デバイスとその動作機構モデル2013

    • 著者名/発表者名
      延島大樹、中村一希、小林範久
    • 学会等名
      2013年光化学討論会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2013-09-11
  • [学会発表] 交流型-電気化学発光を用いた新規多色発光素子2013

    • 著者名/発表者名
      延島大樹、中込優、村一希、小林範久
    • 学会等名
      日本画像学会研究討論会(第111回)
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2013-06-14

URL: 

公開日: 2015-06-25  

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