研究課題
(1)学会誌等への発表本年度は、4本の単著論文, 1本の共著論文が学術雑誌に掲載され、1本の単著論文の掲載が決定している(印刷中)。このうち1本の単著論文"Influences of Resources and Subjective Dispositions on Formal and Informal Volunteering"では、全国調査データを用いて、日本人のボランティア行動の規定要因を社会学、心理学の視座から学際的に検討した。本論文は、非営利セクターの研究領域において国際的なトップジャーナルであるVoluntas : International Journal of Voluntary and Nonprofit Organizationsに掲載された。また、単著論文「日本人の宗教性とボランティア行動 : 非教団所属者における拡散的宗教性の影響」では、約9割が非教団所属者である日本人がもつ拡散的宗教性とボランティア行動の関連を計量的に検討した。本論文はボランティア研究や宗教社会学、市民社会論に対して重要な示唆を与えるものであり、日本の文化構造と市民活動の結びつきを初めて明らかにする先駆的研究である。本論文は、『ソシオロジ』に掲載された。(2)書籍の分担執筆桜井編(2013)『東日本大震災とNPO・ボランティア : 市民の力はいかにして立ち現われたのか』の第14章として、「ボランティア活動者の動向」を執筆した。阪神・淡路大震災と東日本大震災におけるボランティア活動者の量的推移や活動内容などを検討した。2つの大震災の比較の観点から統計データを整理した貴重な文献となっている。
2: おおむね順調に進展している
日本人のボランティア行動を支える要因の実証的解明という目的に対し、本年度は階層性、宗教性、社会化など多角的な視点から要因を検討する計量的研究を進め、そのアウトプットとしての諸論文も予定通りに掲載された。
これまでは、欧米で提出された説明理論を用いて日本人のボランティア行動を捉えるという研究スタンスであったが、厳密に比較を行うためには、各国のボランティア行動を捉える国際比較調査が必須である。今後は、欧米と日本のボランティアリズムの量的・質的な差異とそれに影響する社会的要因に関する国際比較研究を進めたい。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 図書 (1件) 備考 (1件)
ソシオロジ
巻: 179 ページ: 3-18
社会学評論
巻: 256(印刷中)
Voluntas : International Journal of Voluntary and Nonprofit Organizations
巻: (Published online : 14 June 2013) ページ: 1-19
10.1007/s11266-013-9384-3
社会と調査
巻: 11 ページ: 101-106
家族社会学研究
巻: 25(2) ページ: 109-120
ノンプロフィット・レビュー
巻: 13(2) ページ: 37-46
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