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2012 年度 実績報告書

組成制御したハイドロキシアパタイト中の固溶元素の局所環境解析と生体機能構築

研究課題

研究課題/領域番号 12J02608
研究機関京都大学

研究代表者

設樂 一希  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードハイドロキシアパタイト / 生体材料 / 細胞毒性
研究概要

ハイドロキシアパタイト(Hydroxyapatite;HAp)[Ca10(PO4)6(OH)2]は骨や歯の無機主成分であり,人工骨等の生体材料に利用されている.HApは固溶元素やCa空孔によりその生体材料特性が変化するため,これらを利用した特性の精密な制御が期待されている.本研究の目的は,組成制御したハイドロキシアパタイト(HAp)中の固溶元素の局所環境を明らかにし,その局所環境を制御して物性との相関を検討することで,固溶元素添加HApの新たな設計指針を得ることである.しかしながら,HApは一般に非化学量論的であり,そのCa/P比は生体材料特性に大きく影響を与えるため,HApの物性を評価する際に組成制御は非常に重要である.そのため,固溶元素やCa空孔による生体材料特性の変化を調べるためには,化学量論組成HApの特性を正確に調べる必要がある.昨年度は化学量論組成HApの生体材料特性の調査を行った.HApの合成は湿式法により行った.XRDによる構造解析,XRFによる組成分析の結果,化学量論組成HApが合成できていることがわかった.これらの未熱処理・熱処理試料の細胞毒性試験結果では,熱処理により細胞毒性が大きく低減していることがわかった.また,同試料の溶解性試験を行った結果,細胞毒性が大きい試料ほど強い溶解性を示し,細胞毒性と溶解性に強い相関があることがわかった.これらの要因としては試料の粒径による効果や,熱処理による表面状態の変化が考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は研究の目的における,化学量論組成HApの合成およびその特性評価を行った.出発材料の供給比,熟成温度,時間などの,合成における様々なパラメータを最適化することで組成制御が可能となった.さらに,特性評価として,細胞毒性評価,溶解性試験を行った.実験計画ではこれらの作業に約1年かかるとしており,おおむね順調に進展していると考えられる.

今後の研究の推進方策

今後は固溶元素添加試料やCa欠損試料についても同様の実験を行い,さらに固溶元素やCa空孔の局所環境の分析を組み合わせることで,固溶元素やCa空孔,および粒径や表面状態がアパタイトの生体材料特性にどのような影響を与えていくかを詳細に調査していく.

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公開日: 2014-07-16  

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