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2013 年度 実績報告書

組成制御したハイドロキシアパタイト中の固溶元素の局所環境解析と生体機能構築

研究課題

研究課題/領域番号 12J02608
研究機関京都大学

研究代表者

設楽 一希  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードハイドロキシアパタイト / 生体材料 / 局所環境解析 / Zn
研究概要

ハイドロキシアパタイト(Hydroxyapatite ; HAp)[Ca_<10>(PO_4)_6(OH)_2]は骨や歯の無機主成分であり, 人工骨等の生体材料に利用されている. HApは固溶元素やCa空孔によりその生体材料特性が変化するため, これらを利用した特性の精密な制御が期待されている. 本研究の日的は, 組成制御したハイドロキシアパタイト(HAp)中の固溶元素の局所環境を明らかにし, その局所環境を制御して物性との相関を検討することで, 固溶元素添加HApの新たな設計指針を得ることである.
当該年度はZn添加HApの合成および局所環境の解析を行った. X線回折の解析結果から, ZnはHAp中に仕込み組成で10mol%まで固溶することがわかった. また, 蛍光X線分析による組成分析の結果から, Znの添加に伴い(Ca+Zn)/Pの値が減少していくことがわかった. この原因を特定するために試料のZn-KX線吸収端微細構造(XANES)スペクトルの測定を行い, 今回作製したZn添加HApおよびCa欠損HAp中のZn-KXANESスペクトルを比較した. 後者の(Ca+Zn)/Pは1.51となっており, 化学量論組成に比べ低い試料となっている. Zn添加量が5mol%, 10mol%の試料のスペクトルは, 特徴的なピークの位置, 強度がHAp中のZnの局所状態は同一であった. この特徴は過去に報告したCa欠損HAp中のZnの特徴と一致しており, ZnはCa・(2)サイトに置換し, Ca空孔および格子間水素と会合して複合欠陥を形成していることがわかった. この結果は先ほどの組成分析結果とも一致しており, Caの欠損がCa空孔によるものであることが確認された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度は, 組成制御されたZn添加ハイドロキシアバタイトを合成し, その固溶限や局所環境について調査した. 研究の目的におげるハイドロキシアパタイト中の固溶元素の局所環境の解析を進めており, おおむね順調に進展していると考えられる.

今後の研究の推進方策

これまでに組成および固溶元素の局所環境の制御に成功した. 今後はこれらの試料に関して生体材料特性の評価を行い, 固溶元素の局所環境やCa空孔がそれらにどのような影響与えるかを詳細に調査し, 生体材料特性との関係を原子レベルで明らかにしていく.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Cytotoxicity of stoichiometric hydroxyapatites with different crystallite sizes2014

    • 著者名/発表者名
      K. Shitara, H. Murata, K. Watanabe, C. Kojima, Y. Sumida, A. Nakamura, A. Nakahira, I. Tanaka and K. Matsunaga
    • 雑誌名

      Journal of Asian Ceramic Societies

      巻: 2 ページ: 64-67

    • DOI

      10.1016/j.jascer.2014.01.002

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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