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2013 年度 実績報告書

社会性昆虫シロアリの概日行動リズムに関する行動解析および時計遺伝子の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J02694
研究機関京都大学

研究代表者

渕側 太郎  京都大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード社会性昆虫 / 概日リズム / 生態学
研究概要

社会性昆虫は群れ全体を高度に組織化させており、それに伴い各個体は形態や行動が分化している。概日リズムといった生物の活動周期性についてもコロニー内で分化することがいくつか報告されているが、代表的社会性昆虫であるシロアリでそのような研究はまだない。本研究によりシロアリも他の社会性昆虫同様カースト間で行動リズムに違いが見られた(Fuchikawa et al. 投稿準備中)。交尾飛行に出かける繁殖カースト個体は実験室における個別飼育下でも行動に概日リズムが見られる。しかしながら、不妊であるワーカーは同様の飼育環境下で概日リズムが見られない。これらから、繁殖に向かう個体は交尾相手に出会う効率のために活動タイミングを整え、一方、採餌や巣の構築に関わる個体は一日を通して労働することでコロニー間の競争力を向上させるといったやり方で、コロニー内の社会的役割に応じて柔軟にリズム特性を変えていると考えられる。
コロニー内の各個体は分業に伴い分化した行動リズムを示すものの、その行動リズムの分化は時計遺伝子によってどのように生み出されているのか、シロアリのみならず、他の社会性昆虫でも明らかになっていない。私は様々な実験的操作に最も有利なミツバチを用いてその時計遺伝子による行動リズム分化の制御機構を明らかにしようと試みた。私はイスラエル・ヘブライ大Guy Bloch氏との共同研究で社会性昆虫ミツバチの脳内にある行動リズムを制御する部位(時計細胞を社会性昆虫で初めて明らかにした。この細胞において時計遺伝子PERIODタンパク発現量は日内変動していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究成果が国際学術誌に1本掲載されている。その論文ではコロニーレベルでの活動リズムが明らかにされた。現在、個体レベルでの活動リズムも順調にデータが蓄積している。

今後の研究の推進方策

基本的に申請書に記載の通りに推進する。昆虫社会を維持する仕組みにおいて時計遺伝子がどのようにかかわるかはシロアリ以外の社会性昆虫でも明らかになっておらず、様々な実験的操作に最も有利なミツバチを用いた研究も並行して行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Social synchronization overrides photic entrainment in young nest honey bees.2013

    • 著者名/発表者名
      T Fuchikawa, M Nagari, A Eban-Rothschild, Y Shemesh, G Bloch
    • 学会等名
      The XIII Congress of the European Biological Rhythms Society
    • 発表場所
      Munich Germany
    • 年月日
      2013-08-22

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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