研究課題
最終年度は、論文・エッセイの寄稿や国内・国外学会での研究報告等のアウトプットに精力を注いだ。その結果、共編著1冊(2015年8月刊行予定)、共著2冊(うち1冊は2016年3月刊行予定)、学術論文3本(うち1本投稿中)、研究報告を国内外合わせて10度(受理4本含む)行った。国立民族学博物館・企画展協力や全国紙への寄稿をはじめ、アウトリーチ活動も積極的に行った。年度中には、本研究の土台として位置付けられる拙著『自己決定権をめぐる政治学』(明石書店、2013年)に対して、地域研究コンソーシアム登竜賞、日本島嶼学会研究奨励賞を受賞した。研究成果を発表する際に特に意識したのは、北極海沿岸諸国の権力関係と国内政治をどのように架橋するかという点であった。内外の人文社会科学系研究には、「国家主導の環北極海地域協力等のガバナンス形成をめぐる動き」や「国家・地域間合意・規範と地域の政治関係」に焦点をあてるものが多く、国家戦略との係わりの中で極域に居住し生活を営む人たちが、どのような考えに基づき行動しているかという視点が抜け落ちていた。言い換えれば、普遍的な科学を志向し、当該地域の権力関係を明らかにしようとする研究と、ステークホルダーとしての生活者(主に先住民族)の伝統的知見に耳を傾けようとする研究を架橋するような視点が欠落していた。そこで、最終年度は、代表者によるこれまでの成果をふまえ、自治をめぐる新たな分析概念としての「対外的自治」と「対内的自治」を援用しながら、生活者としての北極圏先住民族と北極のガバナンス形成の変遷を通史的に描くことで、自治研究と境界・ガバナンス研究を架橋させることに力を注いだ。その成果の一つは、デンマークの北極圏戦略を「地理的中立」という分析概念によって説明する論文として、年鑑(Arctic Yearbook2015)に掲載される予定である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本YWCA機関紙
巻: 724 ページ: 5-5
産経新聞(夕刊/大阪本社版/2月17日9面)
巻: 2月17日 ページ: 9-9
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巻: KW Publishers Pvt Ltd ページ: 185-198
ISISA X, Islands of the World XIII. (National Penghu University of Science and Technology, Taiwan) Full Paper Submission
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月刊みんぱく
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2014年度日本国際政治学会研究大会 部会報告論文
巻: 2014年度 ページ: 1-18