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2012 年度 実績報告書

発酵食品におけるD-アミノ酸の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 12J02734
研究機関九州大学

研究代表者

牟田口 祐太  九州大学, 農学研究院, 特別研究員(DC2)

キーワードD-アミノ酸 / 発酵食品 / 乳酸菌 / 食品機能成分
研究概要

近年、様々な食品中に_<D->アミノ酸が検出され機能が注目されているが、食品中の_<D->アミノ酸の機能に関する研究は極めて少なく、その合成経路についても、不明な点が多い。本研究では_<D->アミノ酸の食品機能性(呈味性、抗菌作用)の評価、及び、発酵食品の_<D->アミノ酸生産経路の解明を目的する。
_<D->アミノ酸の呈味性の評価_<D->アミノ酸は_<L->アミノ酸よりも甘味を呈するものが多い事が知られているが、実際の食品中での呈味性は不明である。そこで平成24年度の本研究では醤油に_<D->及び_<L->アラニン(Ala)を添加し、味の変化を調べた。結果として、醤油の味の変化が感じられる_<D->Ala濃度は480mMと高濃度である事、又、_D及び_<L->Alaを同時に添加した方が、甘味が増し、味がまろやかになる事が分かった。
_<D->アミノ酸の合成経路の解明発酵食品中の_<D->アミノ酸の主な起源は、従来_<D->アミノ酸を細胞壁に含む微生物であるとされているが、細胞壁の構成成分ではない_<D->アミノ酸も発酵食品中に存在することが報告されている。研究代表者は乳酸菌Lactobacillus otakiensisが細胞壁の構成成分ではない_<D->バリン(_<D->VaD、_<D->ロイシン(_<D->Leu)、_<D->アロイソロイシン(_<D>allo-Ile)といった_D体の分岐鎖アミノ酸を生産することを見出していたが、分岐鎖_<D->アミノ酸の合成に関与する酵素の知見はこれまでに無く、その合成経路は不明であった。本研究ではL.otakiensis及びL.buchneriに分岐鎖アミノ酸を基質とするラセマーゼを見出し、本酵素をコードする遺伝子の同定と大腸菌を用いた大量発現系の構築に成功した。精製した発現酵素は幅広い非極性アミノ酸に対するラセマーゼ活性を有しており、同様の酵素が発酵食品中の様々な_<D->アミノ酸の合成に関与している可能性が示唆された。このようなラセマーゼは全ての生物種において報告が無く、新規のラセマーゼを見出すことに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度はD-アミノ酸の食品における抗菌作用についても検討を行う予定であったが、この研究には着手できていない。しかしながら、D-アミノ酸の合成経路に関する研究においては、新規アミノ酸ラセマーゼの同定、大量発現系の構築に成功し、新規性の非常に高い研究成果が順調に得られている。

今後の研究の推進方策

D-アミノ酸の呈味性の評価については、対象とするD-アミノ酸を乳酸菌が生産するD-Aia、D-アスパラギン酸、D-グルタミン酸、D-Leu、D-Val、D-allo-lleに絞り、官能検査を継続していく。また、抗菌作用について、食品腐敗に関与するPenicilliumやAspergillus属等のカビを対象として検討を行う。
D-アミノ酸の合成経路の解明については、本研究で見出した新規ラセマーゼのより詳細な機能解析を行うと同時に、乳酸菌においてD-Ala合成に関与している可能性があるD-アミノ酸脱水素酵素ホモログ遺伝子の大腸菌での発現及び、発現タンパク質の機能解析を行う予定である。さらに、酢酸菌における固体培養とD-アミノ酸増産の関係性について調べる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 乳酸菌Lactobacillus属の新規分岐鎖アミノ酸ラセマーゼの機能解析2012

    • 著者名/発表者名
      牟田口祐太
    • 学会等名
      D-アミノ酸研究会
    • 発表場所
      滋賀医科大学
    • 年月日
      2012-09-07

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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