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2014 年度 実績報告書

Rad54Bを介した細胞機能ネットワークの解析によるがん治療抵抗性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J02829
研究機関東京大学

研究代表者

安原 崇哲  東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードRad54B / 細胞機能ネットワーク / がん治療抵抗性 / p53 / MDM2 / MDMX / LNX1 / Notch signaling
研究実績の概要

本研究では、Rad54Bが複数の分子と連携しながらネットワークを形成し、細胞機能間の相互調整を行っているという仮説をもとに、がん治療抵抗性という現象を捉えなおし、新たな視点からがん治療戦略を探ることを目指した。
まず我々は、Rad54Bと相互作用する分子を複数見出した。その中でも、Rad54BはMDM2、MDMXとの相互作用を介してp53の発現量と機能を抑制しており、Rad54BはMDM2-MDMXヘテロ二量体形成の足場として働いていた。一方で、Rad54Bの発現量は、損傷応答前期に誘導され、後期にp53依存性に発現量が抑制されていた。従ってRad54Bとp53は、DNA損傷応答における新たな経路を形成していた。
この新たな経路は、DNA損傷G1/SおよびG2/Mチェックポイントを抑制し、DNA損傷後の細胞周期の進行を促進した。特に、Rad54BによるG2/Mチェックポイントの無効化は、染色体の断片化を誘導した。Rad54Bは細胞周期の進行を介してDNA損傷後の細胞の長期生存を促進し、ゼノグラフトモデルにおいてDNA損傷薬剤の治療効果を低下させた。データベース解析では、種々の固形腫瘍や大腸良性腫瘍においてRad54Bの有意な発現上昇が見られた。また、脳腫瘍におけるRad54Bの発現増加は生存率の低下と強く関係していた。従って、Rad54Bの発現亢進によるDNA損傷下での細胞周期進行の促進は、がん治療抵抗性を導くメカニズムの一つであり、Rad54Bは新たながん治療の標的となりうることが示唆された。
この他にも我々は、Rad54BとLNX1の相互作用が、がんの進展に重要なNotch経路を制御することを明らかにした。従って、本研究によって、Rad54Bを介する細胞機能ネットワークによるがん治療抵抗性誘導機構が解明され、新たながん治療戦略の可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Rad54B serves as a scaffold in the DNA damage response that limits checkpoint strength2014

    • 著者名/発表者名
      Takaaki Yasuhara, Takahiko Suzuki, Mari Katsura, Kiyoshi Miyagawa
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 5 ページ: 5426

    • DOI

      10.1038/ncomms6426

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Rad54B serves as a scaffold in the DNA damage response that limits checkpoint strength2015

    • 著者名/発表者名
      Takaaki Yasuhara
    • 学会等名
      Keystone Symposia - Genomic Instability and DNA Repair
    • 発表場所
      ウィスラー(カナダ)
    • 年月日
      2015-03-04
  • [学会発表] Rad54B promotes adaptation to the G2/M checkpoint2014

    • 著者名/発表者名
      Takaaki Yasuhara
    • 学会等名
      第37回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜 (神奈川県)
    • 年月日
      2014-11-25
  • [学会発表] Rad54B promotes adaptation to the G2/M checkpoint2014

    • 著者名/発表者名
      Takaaki Yasuhara
    • 学会等名
      第73回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜 (神奈川県)
    • 年月日
      2014-09-27
  • [備考] 医学系研究科プレスリリース

    • URL

      http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20141112.pdf

  • [備考] UTokyo Research(日本語版)

    • URL

      http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/utokyo-research/research-news/discovery-of-a-basic-mechanism-of-cancer-development/index.html

  • [備考] UTokyo Research(英語版)

    • URL

      http://www.u-tokyo.ac.jp/en/utokyo-research/research-news/discovery-of-a-basic-mechanism-of-cancer-development/index.html

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公開日: 2016-06-01  

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