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2013 年度 実績報告書

細胞周期解析に向けた二次元フォトセンサに基づく一細胞定量検出技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12J03043
研究機関東京農工大学

研究代表者

佐伯 達也  東京農工大学, 大学院生物システム応用科学府, 特別研究員(DC1)

キーワード二次元フォトセンサ / 広域撮像 / 白血球プロファイル解析
研究概要

25年度は、細胞集団プロファイルを迅速に解析するためのマルチカラー蛍光検出系を構築し、実際に細胞表面抗原に基づく白血球解析が可能であることの実証を目指した。本目的を達成するために、二次元フォトセンサのセンシング領域内に、細胞捕捉機構を用いて血液サンプル中の細胞を効率的に集積させるシステムを構築した。細胞捕捉機構として、均一な孔径に制御された微細貫通孔が等間隔にアレイ化された金属基板(Microcavity array)を利用した。Microcavity arrayを介して全血を吸引することで、白血球を選択的に回収できる。本研究では、金属基板のうち微細貫通孔がアレイ化された8㎜角領域を一括撮像可能なマルチカラー蛍光検出系の構築を行った。さらに、細胞を捕捉した基板の裏側から、励起光を照射することで、微細貫通孔外の励起光バックグラウンドを低減させる励起光照射系を考案し、作製した。その結果、細胞捕捉領域を一括で撮像し、かつ、一細胞ごとの判別が可能な解像度を有する検出系の構築を達成した。細胞捕捉基板上に、血液中から白血球を選択的に回収した後、二次元フォトセンサを用いた広域一括撮像を行うことで、白血球集積領域のマルチカラー蛍光検出が可能であった。このシステムを用いて、精度評価用標準血液を対象とした、表面抗原CD4/CD8陽性T細胞検出の実証実験を行った。その結果、Alexa Fluor 488標識抗体で染色したCD4陽性T細胞とPE標識抗体で染色したCD8陽性T細胞を一括撮像によりカラー検出可能であった。得られた画像に基づき、CD4/CD8陽性T細胞数比を計測したところ、基準値と同等の値が得られた。このことから、HIV/AIDS患者の治療開始判断のために行われるCD4テストに応用できることが示唆された。ここまでに得られた結果をまとめ、学術雑誌に論文投稿予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

25年度は24年度に構築した検出系を発展させた細胞集団解析法及び培養モニタリング法を確立することを目標として研究開発に取り組んだ。その結果、細胞集団プロファイルを迅速に解析するためのマルチカラー蛍光検出系の構築及び白血球プロファイル解析の実証を達成した。また、構築した撮像システムの下で、培養中の細胞集団のリアルタイムモニタリングにより、時間変化を含む有用な細胞情報が得られると見込みとなった。このことから、年度の目標の大部分を達成でき、研究開発はおおむね順調に進展したと評価できる。

今後の研究の推進方策

次年度はこれまでに構築した光検出システムを基に、実際に、細胞周期解析や細胞増殖評価を目的とした細胞集団モニタリングの実証実験を行っていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Digital cell counting device integrated With a single-cell array2014

    • 著者名/発表者名
      佐伯 達也
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 9 ページ: e89011

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0089011

    • 査読あり
  • [学会発表] Microcavity arrayを用いたshadow imagingに基づく細胞カウンターの開発2013

    • 著者名/発表者名
      佐伯 達也
    • 学会等名
      2013年電気化学秋季大会
    • 発表場所
      東京工業大学大岡山キャンパス
    • 年月日
      2013-09-27

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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