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2012 年度 実績報告書

出芽酵母におけるリボソームRNA遺伝子のコピー数維持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J03076
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

佐々木 真理子  国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 特別研究員(PD)

キーワードリピート配列 / 相同組換え / リボソーム遺伝子 / 網羅的スクリーニング / コピー数変化 / ゲノム恒常性
研究概要

相同性の高いリピート配列間で起こる相同組換えは、ゲノムの一部配列の重複、欠失等を引き起こし、多種多様の疾患の原因となる。本研究では、リピート配列間での組換えがどのような分子機構で制御されるのかを理解するため、出芽酵母のリピート配列であるリボソームRNA遺伝子(rDNA)のコピー数維持機構の解明を目標として行っている。まず、出芽酵母の約4,800の非必須遺伝子を破壊した変異株ライブラリーを用いて、rDNAコピー数維持に欠損を示す変異株を網羅的に探索した。すると、rDNAが不安定になる500以上もの変異株を見つけることができた。このようなrDNAの不安定性を引き起こす変異体の網羅的スクリーニングはこれまでに行われたことがない。よって、同定された変異株で欠損している遺伝子機能の解析を進めることにより、rDNAリピート配列の安定性に関わる新規機構の解明が多いに期待できる。次に、rDNA不安定株約30個を選び、rDNAの不安定性が再現性のとれるかどうかを確認した。さらに、これらの変異株で欠損している遺伝子が、これまでに知られているFOB1遺伝子依存的なrDNAコピー数維持経路で機能しているのかどうかを調べた。約90%の変異株においてはrDNA不安定性がFOB1遺伝子に依存していることが示された。しかし、残りの10%の変異株においてはFOB1遺伝子非依存的にrDNAの不安定化が起こりうることが示された。よって、これらの遺伝子の作用機序を明らかにすることにより、rDNAコピー数維持に関わる新規の機構の解明が期待できる。さらに、これらの遺伝子は、ゲノム全体の安定性にも関わっている可能性があることから、ゲノム恒常性維持機構の理解にも繋がると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

網羅的スクリーニングにより、rDNA不安定性を引き起こす500以上の変異体を同定することができた。さらに、これらの変異体の中から、既知のrDNA維持機構ではなく新規の機構に関わると期待できる遺伝子を特定することができた。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、次年度の研究においては、スクリーニングにより単離された変異体、特に新規のrDNA維持機構に関わると期待できる遺伝子の機能解析を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Meiotic DNA double-strand breaks in and around repetitive elements in Saccharomyces cerevisiae2012

    • 著者名/発表者名
      佐々木真理子
    • 学会等名
      The 8th 3R Symposium
    • 発表場所
      兵庫県淡路
    • 年月日
      2012-11-26

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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