現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、サクラを題材として、腐朽菌の網羅的解析を行い、その成果を日本木材保存誌第39巻にて公表した。また、腐朽菌と細菌類の位置関係を解析するために、PNAプローブを用いたFISH解析法の構築を行い、木材中の菌糸の可視化に成功した。この成果は、Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, Vol.77に受理された。これらの腐朽菌の木材中における局在性に関する解析手法を構築し、細菌類との関連性を調査する研究もすでに実施している。以上のことから当該研究の進捗状況について「(2)おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
腐朽菌と同調的な細菌類を探索するため、異なる期間堆積処理した竹材のオガコ(0,2,4,6,8,12,16,20,24週間)をサンプルとして、細菌類と担子菌に特異的なプライマーを用いてPCRを行ったところ、増幅産物が検出されない週がみられた。このことから、堆積処理中に微生物叢に変化が生じたと考えられた。細菌類の菌叢解析では、4週目以降に新たなバンドが検出された。ゲル中のバンドを切り出し、精製した。本年度は、これらのサンプルの塩基配列を決定し、細菌類の同定を行う予定である。また、担子菌の菌叢解析も行う予定である。その結果から、担子菌と同調的な細菌類をリアルタイムPCR解析により探索し、両者の位置関係をFISH解析で明らかにする予定である。
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