研究課題/領域番号 |
12J03441
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
坂梨 健太 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 特別研究員(PD)
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キーワード | カカオ生産 / アフリカ / 熱帯雨林 / コミュニティ・フォレスト / 開発 / 食料販売 / 女性の現金収入 / 農業経済学 |
研究概要 |
本年度は、森林が豊富に残っているカメルーン南部のカカオ生産地域を対象にして、森林保全プロジェクトと道路建設という一見矛盾した動きがどのような論理で、どのように現地住民の生活や地域社会に影響を与えているのか調査をおこない、以下のような点を明らかにした。 1. 森林保全プロジェクトの影響について 現地住民に森林管理、販売を任せるコミュニティ・フォレストプロジェクトが地域経済にどのような影響を与えているのか調査を行い、いくつかの問題点が明らかになった。一点目は、木材の販売相手を住民自ら探すことが求められることである。しかし、情報の非対称が存在して、実際に販売にまでいきついていなかった。調査地域では木材会社を呼び寄せる動きが出ており、継続して調査をおこなう必要がある。二点目は、労働力の問題である。住民にとって、カカオ生産や焼畑農業など生きるための日々の活動が優先され、地域の森林管理まで労働力を配分することができていない。そのため、プロジェクト推進者は、現地の状況を十分に把握していない他地域の人びとに仕事を依頼し、結果、近隣の村と境界線をめぐるトラブルが発生している。 2. アスファルト道路建設工事の影響について 森林保全プロジェクト同様に他地域から多くの人びとが働きに来ており、地域内で食料需要が高まり、価格が上昇している。そのため、女性の現金収入が増えていることが明らかになった。それと関連して、地域内では食料の増産を目指し、より広い畑を造成するために男性が共同労働を立ち上げようとする動きが見られる。道路建設は森林保全プロジェクトとは相反するが、その資金源の一部は森林保全の投資を扱う金融市場とつながっていることが、収集した資料を通して明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査を十分に行う時間が足りなかったが、単著の出版など成果報告は着実に行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度にフランスの国際農業開発研究センター(CIRAD)で客員研究員として滞在する予定である。CIRADには熱帯農業の専門家が多く在籍しており、かれらとの議論を通して、本研究を広い文脈の中に位置付けていく。また、将来、共同研究を行えるように研究者との関係づくりを図りたい。
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