| 研究課題/領域番号 |
12J03643
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| 研究機関 | 法政大学 |
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研究代表者 |
青柳 有利子 法政大学, 能楽研究所, 特別研究員(PD)
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| キーワード | 能楽史 / 近世 / 福井 / 島原 / 金沢 / 高松 / 宇和島 |
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| 研究概要 |
未調査の能楽関連記事を収集し、中近世能楽界の実態を明らかにするため、各地の歴史資料を調査した。方法は、全国の寺社関係文書、および各地を支配した武家や藩の文書から能楽関連記事を抽出することを第一とし、能伝書や謡本があれば、これも合わせて調査した。具体的な調査対象は以下の通りである。
(1)福井県立図書館松平文庫:謡本『要石』、日記『袖目金』『少伝日録抄』、老中饗応記録『将軍宣下御振舞覚帳』、給与明細『給帳』など合計84冊。(2)大坂府立中之島図書館:近世大阪両替商の文書『涛々軒家系記』『松石翁年譜』『松石年譜』『毎日用事留』。(3)肥前島原松平文庫:島原藩で収集された謡本・仕舞附・太鼓頭附・小鼓手附・装束附・能面目録・狂言集・間狂言集・宝生大夫聞書・伝書等の貴重書33点・595冊。寛文～元禄期の『島原藩日記』。(4)金沢市立玉川図書館近世史料館加越能文庫・藤本文庫:加賀藩で収集された能番組・仕舞附・能役者の日記・役者の相続願・分限帳・能舞台図・宝生大夫書状・観世左吉書簡等の貴重書34点・87冊。(5)香川県立文書館:歴代高松藩主の記録『英公実録』『英公外記』『英公日暦』『節公日暦』『恵公実録』『懐公実録』『靖公実録』『高松松平氏歴世年譜』等8点37冊、分限帳等25点28冊。(6)宇和島市立伊達博物館:能の手付や謡本の目録など30種79点から成る能の資料『乱舞方重習』、寛永～天保年間の日記20冊、『年中御行事』『要筐弁志年中行事』など年中行事の記録4種8冊。(7)法政大学能楽研究所所蔵の資料や、県史・市史・史料集等。
以上を通じて、各地方における能楽の歴史を通史的に明らかにし、五座(観世・宝生・金春・金剛・喜多)の役者や京阪の素人役者、藩専属の能役者の活動、および地方大名や寺社とその周辺都市が能楽の興隆に果たした役割について総合的に考察する基礎資料が得られた。収集した資料は、論文化を目指して内容を分析中である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
福井藩・加賀藩・大阪・高松藩・宇和島藩・島原藩の調査を行い、能楽資料の撮影、および歴史資料から能楽関係記事を抽出する作業を進めることが出来たため。
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| 今後の研究の推進方策 |
初年度に調査しきれなかった資料、および仙台藩・尾張藩・京都・徳島藩・松山藩・高知藩・熊本藩・福岡藩・・佐賀藩・府中藩・平藩・延岡藩・鹿児島藩の資料をこれまでと同様め方法で調査し、口頭発表や論文で結果を順次公表する。
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