研究課題/領域番号 |
12J03761
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
朴 ヘビン 同志社大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 高齢者就業 / 国際比較 / ライフコース / 就業政策 / 韓国 / 福祉レジーム |
研究概要 |
本研究は、老後の所得及び収入のあり方への不安という問題が個人の人生における問題を超え社会全体の問題となっているなか、「高齢者本人の労働による所得の確保がその解決策」であることを前提としたものである。したがって、高齢者が所得を確保する方法/手段としての働き方をいかに保護し支援できるかが研究の課題であり、その支援方法のなかでも政策の提案をすることが目的である。 本年度は、高齢者就業政策の性格を整理するため、一国においての就業政策が一人歩きするものではなく、その国の福祉レジーム政策とも関連が深いことに注目した。高齢者就業の場合、年金制度との関連が深いあるため年金制度の根本にあるその国の福祉レジーム性格を把握することが重要な手がかりとなる。従って、これまでの高齢者就業政策を把握するために、福祉レジーム性格と関連づけて考察を行った。韓国を例に取り上げると、韓国でIMF危機がおこった時期に、福祉国家形成において決定的な意味を持つ一方で、高齢者就業政策についても政府が積極的に対策への動きを見せたていたことがわかった。このIMF危機という一つの事件によって韓国の社会経済が大きく変化する中で、それをきっかけに高齢者失業対策も積極的に動きはじめた証拠としては「第1次高齢者雇用促進計画(2006)」があげられる。 さらに、研究の目的である政策提案においては、これまでの日本を含む諸外国でみられる高齢者就業促進・支援政策において高齢期に焦点をおいた支援(年齢差別禁止、定年年齢の引き上げ、再就職の斡旋および支援)が中心となっているという限界がある。そのため、現在の政策では多様で変化が激しい個々人の生涯に対応していけないことが指摘できる。また、非正規職の増加、働き方の多様化などといった労働市場と個々人のワークライフ、ライフコースの変化は就業政策の根本の改革を求めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は主に文献を用いた研究を行った。政策の性格に影響するものとして福祉国家レジーム性格との関連性に注目した研究成果が得られた。さらにあ、政策提言において基盤となるこれまでの政策の特徴とそれに影響する多様な要因を整理しそこに不在している視点(ライフコースを念頭においた政策)を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、これまでの研究で明らかになった政策対象者(高齢者)のライフコースを念頭に入れた就業支援政策提案にむけて、これまでの政策の反省とともに今後のあり方を提案する。現在、政策提案に関する研究報告として、平成25年(2013年)の9月にヘルシンキ大学(フィンランド)において開かれる二国間交流事業セミナー(代表研究者:山田裕子)で報告することが決まっている。
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