平成24年度には、年次計画に基づき、ニュージーランドの先住民マオリの伝統的タトゥー、モコについて、(1)ニュージーランド国内におけるフィールド調査を行ったほか、昨年度の研究成果を引き継ぎ、(2)地域エリアの領域に焦点を当てた現地稠査、(3)文献資料の収集と調査を行った。また、(4)研究大会やシンポジウムに参加し、成果発表や情報収集を行った。 (1)ニュージーランド国内における現地調査 モコが彫られる場、そしてモコと非マオリのタトゥーとの接触を考察するため、ニュージーランド国内における長期調査を予定していたが、これを変更して短期の調査を行い、施術の観察とインタビューを行った。今年度の調査における最大の成果は、特に①30代の若い世代の彫師たちの活動と②彫師たちの国内外の客獲得のための宣伝活動について調査を深めることができた点である。 (2)地域エリアの領域に焦点を当てた現地調査 昨年度ソロモン諸島における太平洋芸術祭の調査を通じて明らかになった、太平洋地域のタトゥーとモコの関わりをより詳細に検討するため、サモアとクック諸島を訪れてフィールド調査を行った。 (4)研究大会・シンポジウムへの参加 6月の文化人類学会での研究発表のほか、3月のオセアニア学会や日本国内のタトゥー関連シンポジウムに参加し、文化人類学、オセアニァ、タトゥーについての理解を深めた。
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