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2015 年度 実績報告書

ヒアルロン酸パウダーを用いた浸軟皮膚に対するアドバンストスキンケア技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12J03913
研究機関東京大学

研究代表者

麦田 裕子  東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード便失禁 / 皮膚障害 / 創傷治癒 / 細菌 / ラット
研究実績の概要

背景:便失禁による皮膚障害モデルラットを用いた研究により、便失禁による皮膚障害は、毛包からの角化細胞の遊走を促進する介入により治癒を促進できる可能性が示唆された。その介入法として、アシル化ホモセリンラクトン(AHL)に着目した。AHLの一つであるN-(3-オキソドデカノイル)-L-ホモセリンラクトン(3-oxo-C12-HSL)は、角化細胞遊走促進能を有する一方で、緑膿菌感染を促進する分子でもあるため、便に曝露した皮膚に適用するのは困難である。AHLにはアシル鎖長の異なる分子種が存在するが、それらのAHLの創傷治癒に及ぼす影響は十分に検討されていない。
目的:アシル鎖長の異なるAHL(3-oxo-C8-HSL、3-oxo-C10-HSL、3-oxo-C14-HSL)の角化細胞遊走促進能を検証した。
方法:1) ラット表皮角化細胞株(FRSK)をスクラッチアッセイに供した。スクラッチ直後に細胞培養液を各AHLおよび溶媒(DMSO)を含む培養液に交換し、経時的にスクラッチ面積減少率を算出した。2) 6ヶ月齢雄性SDラットの除毛3日後の背部皮膚に、便失禁による皮膚障害再現処理(タンパク質分解酵素溶液含有アガロースゲル4時間貼付の後、緑膿菌培養液30分塗布)を実施した。皮膚処理24時間後、AHL溶液あるいは溶媒(DMSO)を含ませたガーゼを貼付した(24時間)。その後、処理部位を継時的に観察した。
結果:1) スクラッチ72時間後、3-oxo-C8-HSL、3-oxo-C14-HSL群では、溶媒群と比較して面積減少率が有意に大きく、これらのAHLが角化細胞遊走促進能を有することが明らかになった。2) AHL処理に3-oxo-C14-HSLを用いた結果、肉眼的所見として、AHL処理群では痂疲様所見がDay 3までのみに認められたのに対し、溶媒群では痂疲様所見がDay 5まで持続した。痂疲様所見は、治癒過程における毛包から伸長した角化細胞層により病変部位が分断された所見と考えられるため、AHL処理群では角化細胞層の伸長がより早い段階で生じている可能性が示唆された。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Histopathology of Incontinence-Associated Skin Lesions: Inner Tissue Damage Due to Invasion of Proteolytic Enzymes and Bacteria in Macerated Rat Skin2015

    • 著者名/発表者名
      Mugita Y, Minematsu T, Huang L, Nakagami G, Kishi C, Ichikawa Y, Nagase T, Oe M, Noguchi H, Mori T, Abe M, Sugama J, Sanada H
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 10(9) ページ: -

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0138117

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Telogen elongation in the hair cycle of ob/ob mice2015

    • 著者名/発表者名
      Tasaki N, Minematsu T, Mugita Y, Ikeda S, Nakagami G, Sanada H
    • 雑誌名

      Bioscience, biotechnology, and biochemistry

      巻: 80(1) ページ: 74-79

    • DOI

      10.1080/09168451.2015.1069693

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Lower temperature at the wound edge detected by thermography predicts undermining development in pressure ulcers: a pilot study2015

    • 著者名/発表者名
      Kanazawa T, Kitamura A, Nakagami G, Goto T, Miyagaki T, Hayashi A, Sasaki S, Mugita Y, Iizaka S, Sanada H
    • 雑誌名

      International wound journal

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1111/iwj.12454

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] アシル基の鎖長の異なるアシルホモセリンラクトンが角化細胞遊走に及ぼす影響2015

    • 著者名/発表者名
      麦田裕子, 峰松健夫, 池田真一, 仲上豪二朗, 真田弘美
    • 学会等名
      第45回日本創傷治癒学会
    • 発表場所
      JRタワーホール&カンファレンス(東京都千代田区)
    • 年月日
      2015-11-30 – 2015-12-01

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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