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2012 年度 実績報告書

新規テロメア結合タンパク質のグアニン四重鎖結合性と機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J03925
研究機関静岡大学

研究代表者

高濱 謙太朗  静岡大学, 創造科学技術大学院, 特別研究員(DC2)

キーワードテロメア / グアニン四重鎖 / 生体機能関連化学 / 核酸結合タンパク質 / 核酸化学 / タンパク質化学
研究概要

本研究の最終目標は、テロメアのグアニン四重鎖のガン化に関わる新たな機能の解明である。
ガン化に関わる染色体末端領域テロメアを構成するテロメアDNAやtelomeric repeat containing RNA(TERRA)は、グアニン四重鎖構造を形成することが報告されている。このグアニン四重鎖構造はガン化の機構に関与することが示唆されていることから、ガン治療の標的として世界的に注目されているが、その生物学的機能については未だ不明な点が多い。その理由として、テロメアにおいてグアニン四重鎖構造に結合して機能するタンパク質について不明な点が多いことが挙げられる。本年度において申請者は、新規テロメア結合タンパク質として見出されたTLSがグアニン四重鎖テロメアDNAとTERRAに同時に強く結合することを試験管内で見出した。また、TLSが細胞内でもグアニン四重鎖構造依存的にテロメアDNAやTERRAに結合することを明らかにした。このようなタンパク質は他に例がなく、世界で初めての報告である。更に申請者はTLSをヒトのガン細胞内に大量発現させると、テロメア領域で相同組換の抑制に関わるヒストンメチル化が促進されてテロメアが短縮されることを明らかにした。これは、テロメアにおいてグアニン四重鎖がピストン修飾を介したテロメア長の制御に関わっていることを示す世界で初めての報告であり、今後のテロメアが関わるガン研究に大きく貢献すると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成25年度に行う予定であった細胞実験に平成24年度中に着手して成果を挙げ、その成果によって本研究がChemistry & Biology誌に掲載された。また、日本化学会第93回春季年会における発表で、日本化学会第93回春季年会(2013)学生講演賞を受賞した。

今後の研究の推進方策

これまでの研究では、テロメア結合タンパク質TLSを細胞内に人工的に大量発現して実験を行った。しかし、内在性のTLSのテロメアにおける機能については、未だ不明な点が存在している。そこで、今後RNA干渉法を用いて内在性のTLSの発言を抑制することによって、テロメアにおける機能を解析する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Regulatjon of Telomere Length by G-Quadruplex Telomere DNA- and T ERRA・Binding Protain TLSiFUS.2013

    • 著者名/発表者名
      高濱 謙太朗
    • 雑誌名

      Chemistry & Biology誌

      巻: 20 ページ: 341-350

    • DOI

      10.1016/j.chembiol.2013.02.013.

    • 査読あり
  • [学会発表] グアニン四重鎖結合タンパク質TLSのテロメアにおける核酸結合性と機能解明2013

    • 著者名/発表者名
      高濱 謙太朗
    • 学会等名
      日本化学会第93回春季年会
    • 発表場所
      立命館大学(滋賀県)
    • 年月日
      2013-03-25

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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