研究概要 |
平成25年度は, 大きく2つの研究課題に取り組んだ. 1つ目は検索結果の多様化に関する研究であり, 入力クエリに対する典型的なトピックから非典型的なトピックまで網羅的にカバーできるように検索結果をリランキングすることを目的とした. 検索結果の多様化に関する研究はこれまで様々なものが行われてきたが, 本研究ではクエリに関する各サブトピックの検索意図(InformationalやNavigational)を考慮して検索結果の多様化の手法を提案した点が特徴的である. 2つ目は, オブジェクトと属性値を入力として与えたときに, オブジェクトと属性値の関係の認知度を推定するための手法を提案した. 提案手法を用いることで, たとえばオブジェクトを「中国」, 属性値を「ワイン」としたとき, 「中国」と「ワイン」は実際の関連度は高いがその関係の認知度は低い, といったことが求められる. 提案手法では, (1)オブジェクトの認知度が高(低)ければ, オブジェクトと属性値の関係の認知度は実際の関連度よりも高(低)くなる. (2)オブジェクトの多くの類似オブジェクトと属性値の関係の認知度が高(低)ければ, オブジェクトと属性値の関係の認知度は実際の関連度よりも高(低)くなる. という仮説のもと関係の認知度を推定する. 評価実験では, クラウドソーシングを用いて関係の認知度に関する正解データを作成し, 提案手法と既存の語間の関連度推定手法を比較した. 実験の結果, 提案手法より有意に高い精度で関係の認知度を推定できることが明らかになった. 本研究の手法を用いることで, 既存手法により求められる関連度は高いが関係の認知度が低い語を「非典型的な語」としてユーザに提示することが可能になると考えられる.
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