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2013 年度 実績報告書

シグナルハブparafibrominが司る各種シグナル間クロストーク機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J04126
研究機関東京大学

研究代表者

菊地 逸平  東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードシグナル伝達 / クロストーク
研究概要

高等真核生物にはWntシグナル、Hedgehogシグナル、Notchシグナル、TGF-βシグナルなどの各種のシグナル伝達経路が存在する。これらのシグナル経路は、密接なクロストーク機構のもとに協調的な制御を受けることが知られ、その破綻はがんを含めた各種疾患の発症に関与している。しかし、そのクロストークを調節する分子機構は未だ不明である。そこで本研究では各種シグナルの集約点となりうる核内分子parafibrominに着目し、parafibrominが司るクロストーク機構の解明を目指している。昨年度までに得られた実験結果から、parafibrominはWnt/Hedgehog/Notchの3つのシグナルに関与し、それらシグナル間のクロストーク機構を制御することが示唆されていた。しかし、これらの知見は培養細胞を用いて得られたものであり、生物個体の生体内(in vivo)でのparafibrominクロストーク機構の存在は不明であった。そこで本年度はマウス腸上皮をモデルとして、ipvivoでのparafibrominによるシグナル制御機構を解析した。結果、腸上皮組織の染色実験から、parafibromin, Notchシグナル, Wntシグナルが腸上皮幹細胞の維持に協調的にはたらいていることが示唆された。また、前項のマウス実験に加え、組織レベルでのparafibrominクロストークの役割を検討するために、腸管上皮幹細胞培養法(Sato et al., Nature, 2009)を用いて腸管上皮のシグナル制御にparafibrominが果たす役割を検討した。結果、腸管上皮幹細胞培養法の確立に成功し、parafibrominが腸上皮幹細胞の維持に必須であることを明らかにした。これらの知見は、parafibrominが生体内での各種シグナルの統合的制御を司っていることを示すものであり、シグナル異常が関与する疾患の予防や治療法の確立に貢献しうるものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、生物組織・個体レベルでのparafibrominを介したシグナルクロストーク機構の解明を研究の目的とし、parafibrominノックアウトマウスを用いた実験、腸上皮幹細胞培養実験を行い、当初の計画通り順調に成果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

本課題の今後の推進方策として、本年度中に明らかとなった生物組織・個体レベルでのparafibrominを介したシグナル制御機構の解析をすすめる。具体的には、腸上皮における細胞の増殖・分化をparafibrominが制御する分子基盤の解明を試みる。それにより、細胞・組織・個体レベルでのparafibrominが司るシグナルクロストーク機構の包括的な理解を試みる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] YAP and TAZ, Hippo signaling targets, act as a rheostat for nuclear SHP2 function.2013

    • 著者名/発表者名
      Tsutsumi, D., Masoodi, M., Takahashi, A., Fujii, Y., Hayashi, T, . Kikuchi, I., et al.
    • 雑誌名

      Developmental Cell

      巻: 26(6) ページ: 658-665

    • DOI

      10.1016/j.devcel.2013.08.013

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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