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2013 年度 実績報告書

IκB-ζ欠損マウスが自然発症する自己免疫疾患の病因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J04191
研究機関公益財団法人がん研究会

研究代表者

大熊 敦史  公益財団法人がん研究会, がん研究所がん生物部, 特別研究員(PP)

キーワードIκB-ζ / シェーグレン症候群 / アポトーシス / STAT3
研究概要

転写制御因子IκB-ζを上皮細胞特異的に欠損するマウスはシェーグレン症候群に類似した自己免疫疾患を発症する。シェーグレン症候群は、女性優位に発症する自己免疫疾患であり、潜在的なケースを含めると国内に数十万人の患者がいると推定されている。また、その標的組織は外分泌腺など上皮組織であることがその特徴であり、上皮におけるIκB-ζの働きを解明することは、autoimmune epithelitis(自己免疫性上皮炎)とも呼ばれるシェーグレン症候群の病因の根本を解き明かすカギとなると考えられる。今回、IκB-ζ欠失に伴う上皮組織の異常として、IκB-ζ欠損マウスの涙腺における過剰なアポトーシスがシェーグレン症候群様の涙腺炎を引き起こしていることを証明した。また、本年度は、涙腺におけるIκB-ζの発現維持機構と涙腺腺房細胞の潜在的なアポトーシス傾向について解析を行った。その結果から、涙腺腺房細胞はERストレスによりアポトーシスの機器に曝されている可能性があり、STAT3-IκB-ζに依存した経路が正常に機能することでアポトーシスを防いでいるのではないかと考えられる。加えて、予てからシェーグレン症候群との関与が指摘されていたepidemal growth factorがSTAT3を介したIκB-ζの発現に関係している可能性についても示した。本研究によって、涙腺における恒常性維持メカニズムの一端を解明したとともに、シェーグレン症候群の新たな発症メカニズムを提唱し、その治療法開発に大きく貢献すると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

IκB-ζ欠損マウスにおけるシェーグレン症候群の発症機序を明らかにするとともに、正常な涙腺における恒常性維持機構を示した。

今後の研究の推進方策

IκB-ζがアポトーシスを抑制しているmolecular mechanismに着目した研究を進めることが必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] IκB-ζ欠損マウスにおけるシェーグレン症候群の発症機序2013

    • 著者名/発表者名
      大熊敦史
    • 学会等名
      第67回日臨床眼科学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2013-10-31
    • 招待講演
  • [備考] ライフサイエンス新着論文レビュー

    • URL

      http://first.lifesciencedb.jp/archives/6636

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公開日: 2015-07-15  

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