研究課題
本研究は「苦味受容体の遺伝的多様性がチンパンジーの地域特異な採食行動にもたらす影響」を解明することが目的である。初年度及び第二年度において行った研究を前進させた。これまでに、西アフリカ・ギニア共和国・ボッソウ地域において、全頭個体識別がなされた野生のチンパンジー12個体と、隣接するニンバ山から観察路に残された排泄物試料を収集し、DNAを抽出している。また、東アフリカ・タンザニア連合共和国・マハレ地域においても、同様に個体識別された野生チンパンジー60個体から排泄物試料を収集し、DNAを抽出している。本年度は、更に東アフリカの異なるチンパンジーの生息地であるウガンダ共和国・カリンズ地域において、個体識別された野生チンパンジーの排泄物試料を収集し、前年度までに樹立した排泄物由来のDNAに関して個体由来の塩基配列決定に必要な分析評価系の手法を用いて、カリンズ地域においても苦味受容体遺伝子の配列決定を行った。その結果、西アフリカのボッソウとギニア、東アフリカのマハレとカリンズについて東西亜種差があり、更にそれぞれの亜種内でも地域差があることを見出した。また、カリンズにおいてチンパンジーと同所的に生息し、重複した食物レパートリーを持つオナガザル数種についても、調査を行い、糞DNAを分析した。東アフリカにおいて採食される植物に含まれる苦味物質を受容すると考えられる苦味受容体遺伝子について、機能解析を実施した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Zoological Letters
巻: 1 ページ: 9
10.1186/s40851-014-0002-z
Molecular Biology and Evolution
巻: 31 ページ: 2018-2031
10.1093/molbev/msu144
http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/pub/ronbun/0448.html
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2014/150304_1.html