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2013 年度 実績報告書

超短パルスレーザーによる金属表面ナノ構造自己形成の機構解明と高効率加工法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12J04282
研究機関京都大学

研究代表者

清水 雅弘  京都大学, 化学研究所, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2012 – 2014-03-31
キーワードフェムト秒レーザー / 金属 / アブレーション / 閾値
研究概要

前年度までに、4種の金属(Cu, Pt, W, Mo)にアブレーション閾値以下のフルーエンスで超短パルスレーザーを照射した時に形成される表面ナノ構造のSEM観察を終えた。Cu, Mo, W表面にはクラックの発生が確認されたが、Ptにおいてクラックは観察されなかった。本年度は、この結果を踏まえて、Ptとその他の金属の違いを議論するために、金属の光・熱・機械物性の観点から、電磁界分布シミュレーションおよび文献調査により議論した。また、アブレーション閾値以上のレーザー照射を行い、SEM観察を行った。
時間領域差分法によるレーザー照射時の電界分布の計算より、金属表面の窪みが起点となってクラック発生し、成長することがわかった。クラックが一定の長さ以上に成長すると、クラック端の電場強度は弱くなり、成長が止まることがわかった。これより、入射パルス数を変化させてもクラックの長さの分布が変化しないことを説明できた。文献調査により、Ptは他の金属と比べて延性・展性に富んでいることがわかり、これが原因でクラックが発生しないことがわかった。以上の結果を前年度の結果と合わせ論文化した。応用物理分野でトップレベルの国際学術誌であるApplied Physics Lettersに掲載された。
アブレーション閾値以上における入射パルス数の増加に伴うナノ周期構造の形成過程が明らかになった。表面に窪みを起点に散乱波が生じ、それにより表面プラズモンが励起される。それが入射波と干渉しあってナノ周期構造が形成されることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ナノ粒子と超短パルスレーザーとの相互作用の解明は未だに遠成できていないが、金属表面におけるナノ構造形成に対してモデルを提案し、論文化できたことは評価できる。

今後の研究の推進方策

ナノ構造形成過程のその場観察を行うことにより、今回提案したモデルが正しいことを実証する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Unidirectionally oriented nanocracks on metal surfaces irradiated by low-fluence femtosecond laser pulses2013

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Shimizu, et al.
    • 雑誌名

      Applied Physics Letters

      巻: 103 ページ: 174106-1-174106-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Metal-like self-organization of periodic nanostructures on silicon and silicon carbide under femtosecond laser pulses2013

    • 著者名/発表者名
      Laura Gemini, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Applied Physics

      巻: 114 ページ: 194903-1-194903-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Shape control of elemental distributions inside a glass by simult aneous femtosecond laser irradiation at multiple spots2013

    • 著者名/発表者名
      Masaaki Sakakura, et al.
    • 雑誌名

      Optics Letters

      巻: 38 ページ: 4939-4942

    • 査読あり

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公開日: 2015-07-15  

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