研究計画の最終年度となる本年度は,最終的な調査活動をおこなうとともに,これまでの研究成果をまとめ,単著『越境する障害者―アフリカ熱帯林に暮らす障害者の民族誌』(222頁)を出版した。 昨年度に引き続き,今年度は7月末から9月初め,および10月末から12月初めにかけての計3か月間,カメルーン共和国,コンゴ共和国,そしてコンゴ民主共和国において身体障害者に関する現地調査を実施した。これらの研究成果として,前述の単著に加え,アフリカの都市に暮らす障害者に焦点を当てたものとして,『生存学研究センター報告23―アフリカの病・医療・障害の現場から』に論文「アフリカの都市に暮らす障害者の生計とケア―カメルーン共和国の首都ヤウンデを事例に」を寄稿し,また日本アフリカ学会編の『アフリカ学事典』にアフリカの障害者に関する概説を執筆した。 また平成25年度に発足した日本貿易振興機構アジア経済研究所(JETRO-IDE)の『アフリカの障害者-障害と開発の視点から』研究会 (主査: 森壮也氏 [アジア経済研究所])において,コンゴ川流通を担う障害者の生計維持基盤に関する研究発表をおこない,その内容をまとめた論文「国境をまたぐ障害者-コンゴ川の障害者ビジネスと国家」をアジア経済研究所の研究双書『アフリカの障害者-障害と開発の視点から』に寄稿した。
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