研究概要 |
本研究では次世代集積回路の創出に向けて,絶縁膜上にGeをベースとしたIV族半導体を高品質形成,および,歪み導入プロセス技術の開発を目標としている.本年度に得られた成果を以下に記す. (1)Geとの共晶反応する金属群(Ag,Al,Au,Sn)の中で,共晶温度が最も低いSn(Ge-Sn共晶温度:231℃)を用いた金属誘起横方向成長法を提案した.非晶質Ge薄膜の結晶化温度を150℃にまで低温化できることを明らかにした.また,結晶化膜にはSnが含まれており,その濃度は結晶化温度に依存し,1%~15%の間で制御することが可能である. (2)更なる低温/高品質化を目指し,被結晶化膜の極表面のみを局所的に溶融させる水中レーザーアニール法をGe_<1-x>Sn_x.(x:0-1)薄膜へ適用した.非晶質Ge薄膜にSnを添加することで,レーザー照射による膜損傷/凝集を抑制できること,即ち,レーザフルエンスの上限を高くできることを見いだした.x=0.05においては,膜損傷を与えずに結晶化できるレーザフルエンス幅は,x=0に比べ約10倍に増大した.その結果,結晶粒径を約0.01μm(x=0)から約1μm(x=0.05)へと約100倍増大させることに成功した.また,本手法にて結晶化した膜には伸張歪み(約1%)が導入されていることも判明した.
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