平成26年度は、前年度に引き続きタンザニアのタンガニイカ湖およびザンジバル島において、漁業資源の利用と保全に関して現地調査を実施した。8-9月と2-3月にそれぞれ現地調査を実施した。タンザニアで人々の重要なタンパク源となっている小魚、ダガーの漁獲、加工、流通の状況を調査した。
タンガニイカ湖畔のキゴマ市内では、従来の灯油を燃料とするプレッシャーランプに替わり、ソーラーシステムで充電して用いるLED集魚灯が導入された。LED集魚灯の導入がタンガニイカ湖のダガー漁にどのような影響を及ぼすかを、漁船の操業収支の変化から分析し、『地域漁業研究』第55巻1号に論文として発表した。
ザンジバル島においてはカタクチイワシ科の小魚が漁獲され、塩茹で後に天日乾燥されて各地に流通している。乾燥ダガーの大半はコンゴ民主共和国に輸出されており、漁師-仲買人-コンゴ人卸売商人の間の取引慣行について調査を行った。これら成果は2014年7月にオーストラリアのブリスベンで開催されたInternational Institute of Fishery Economics & Trade (IIFET)で口頭発表した。また、同研究成果について日本アフリカ学会の学術誌『アフリカ研究』に論文を投稿し、受理された。
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