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2014 年度 実績報告書

情報化社会における"集合知"の発生メカニズムに関する社会生態学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 12J04583
研究機関北海道大学

研究代表者

豊川 航  北海道大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード集団意思決定 / 集合知 / 社会的学習 / 多腕バンディット問題 / 強化学習 / コミュニケーション / 行動実験 / 探索と収穫のジレンマ
研究実績の概要

これまでの集合知研究では見逃されてきた新しい視点からの実験を行い、結果を 2 本の論文としてまとめ、それそぞれ学術雑誌上で発表した。
集団意思決定には「集約型意思決定」と呼ばれる状況がある。それは各個体が個別に意思決定しながらも、互いに情報をやり取りしあう事で結果として集団レベルでのパターンが生じる状況である。 情報化に伴い、ネットショッピングなど各消費者が影響を及ぼしながら個々の意思決定を下すという集約型意思決定の場面は日常に多く見られるようになった。しかし、こうした集約型意思決定場面で集合知が生じる条件は自明ではなく、経験的にテストする意義があった。
集約型意思決定状況としてMulti-ArmedBandit 問題という不確実性の伴う環境での最適選択課題を用い、実験室で実験を行った。参加者らは5人一組となり、互いに他のメンバーの行動を観察する事で社会的学習をすることができた。実験には2つの条件を設けた。1つは社会情報として他のメンバーの選択行動(選択頻度)のみが観察できる条件で、2つ目は選択頻度情報に加え、近年様々なインターネットサイトで利用されているような、各メンバーが自由に付けた5点満点の「口コミ」評価点をも参照することができた。 実験の結果、個人あたりの意思決定のパフォーマンスは、「口コミ」を利用できる条件の方がむしろ低くなっていた。「口コミ」は、選択肢の質を表す情報量のあるシグナルとなっていたにも関わらず、もう1つの社会情報であった頻度情報にくらべノイズが大きく、参加者はかえって混乱してしまった。このことから、集約型意思決定に おける情報伝達のメディアはシンプルな方が、意思決定のパフォーマンスを向上させるということが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Human collective intelligence under dual exploration-exploitation dilemmas2014

    • 著者名/発表者名
      Wataru Toyokawa, Hye-rin Kim & Tatsuya Kameda
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 9 ページ: e95789

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0095789

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Less-is-more in a 5-star rating system: an experimental study of human combined decisions in a multi-armed bandit problem2014

    • 著者名/発表者名
      Wataru Toyokawa, Kim Hye-rin and Tatsuya Kameda
    • 学会等名
      Collective Intelligence 2014
    • 発表場所
      MIT USA
    • 年月日
      2014-06-10 – 2014-06-12
  • [学会発表] Herding and plasticity of combined decisions in an online 3-armed bandit game.2014

    • 著者名/発表者名
      Wataru Toyokawa and Tatsuya Kameda
    • 学会等名
      European Human Behaviour and Evolution Association Annual Meeting 2014
    • 発表場所
      University of Bristol UK
    • 年月日
      2014-04-06 – 2014-04-09

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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