研究課題
研究は概ね計画書通りに進行している。本年度の研究成果の主なものの概略を以下に列記する。#1. 皮脂腺、皮下脂肪のin-vivo labeling法の開発マウスに脂肪向性蛍光色素であるBODIPYを静注し、皮脂腺、皮下脂肪を生体下で可視化する方法を開発した。また、耳介における血管周囲の脂肪集塊(perivascular adipose tissue)を同定した。#2. アトピー症状を改善する化合物の発見アトピー性皮膚炎の発症との相関が指摘されているフィラグリン蛋白の発現を増加させる化合物を検索し、JTC801を同定した。マウスアトピー性皮膚炎モデルを用いて、同化合物がアトピー症状を改善させることを示した。#3. 炎症時に皮内に形成されるリンパ節用構造(induced Skin-associated lymphoid tissue)の同定接触過敏反応のマウスモデルを観察する中で、真皮内に樹状細胞とT細胞が集合しクラスターが形成されることを発見。また、皮内における抗原提示に真皮樹状細胞、真皮マクロファージカミ必須であることを示し、同クラスターの形成にマクロファージが産生するCXCL2が関与することを明らかにした。我々はこれらのクラスター形成が、皮内における効率的な抗原提示のメカニズムとして重要であると考えている。#4. 皮膚血管透過性の定量生体イメージング法の確立二光子顕微鏡を用いた、血管透過性のin vivo評価法を確立した。さまざまな分子サイズの蛍光標識デキストランを静注し、血管の物理バリア機能を定常下で評価し、血管壁がおよそ70kDaの分子を隔てる物理バリアの機能を持つことを明らかにした。また、ヒスタミンの静注による血管透過性の即時変化を動画として捉えることに成功した。
2: おおむね順調に進展している
皮内における樹状細胞、T細胞のクラスター形成を可視化することに成功した。また、その形成に、真皮マクロファージが重要である所見が得られた。概ね計画書通りに進行している。
本研究は概ね当初の計画書通りに進行している。26年度は、真皮におけるマクロファージ・樹状細胞・T細胞のクラスター形成のメカニズムの詳細について検討を行う。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
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