研究課題
本研究では、睡眠障害のひとつである「ナルコレプシー」に着目した。ヒトのナルコレプシー発正原因は、オレキシン神経の特異的な脱落である。前年度報告した新たなナルコレプシーモデルマウスであるorexin-tTA ; TetO DTAマウスをもちいて、MCH受容体拮抗薬の睡眠覚醒に与える影響を調べた。Orexin-tTA ; TetO DTAマウスでは、DOXの有無でオレキシン神経細胞死を制御可能である。DOX存在下ではオレキシン神経は正常に保たれ、DOX非存在下ではTetO配列下流にあるジフテリア毒素A断片(DTA)の発現が誘導されるため、オレキシン神経が細胞死を起こす。胎児期からDOX存在下で飼育し、その後10週齢に達した段階でDOXを除去し、ナルコレプシー症状である睡眠覚醒の分断化および脱力発作を呈するマウスを作製した。再度DOX存在下で飼育し、症状進行を抑制した。脳波筋電図を記録しながら、マウスの活動期である暗期直前に薬物を腹腔内投与し、それによる睡眠覚醒パターンへの影響を観察した。マウスに触れることなく薬物を投与するため、脳波筋電図記録用電極の留置と同時に腹腔内にチューブを留置し、脳波筋電図記録用電極と共に固定した新たな腹腔内投与システムを開発した。溶媒投与投与時とMCH受容体拮抗薬投与時の睡眠覚醒パターンを解析し比較した。その結果、溶媒投与時とMCH受容体拮抗薬投与時において著しい変化は認められなかった。
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Journal of Neuroscience
巻: 34 号: 19 ページ: 6495-6509
10.1523/JNEUROSCI.0073-14.2014
巻: 34 号: 20 ページ: 6896-6909
10.1523/JNEUROSCI.5344-13.2014
Neuropharmacology
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10.1016/j.neuropharm.2014.06.015.